2022.11.26 18:00
2022.11.26 18:00
来年6月17日から全国9ヵ所13公演のアリーナ・ツアーを開催することを発表し、ファンを狂喜させた3年ぶりの有観客ライブは、タイトルで「Superfly 15th Anniversary Live “Get Back!!”」と謳っているとおり、ライブも含め本格的な活動の再開をアピールするという意味で、Superflyのキャリアにおけるマイルストーンの1つとなった。
1万4,000人を集めた、そんな一夜限りの有明アリーナ公演は、360度観客に囲まれるようにアリーナの真ん中に作ったピースマーク型の円形ステージの中央で越智志帆(Vo)が「行くぞ、有明アリーナ!」と声を上げ、「Bi-Li-Li Emotion」でスタート。そこから「タマシイレボリューション」「Hi-Five」とソウルフルなロック・ナンバーを、いきなりジェットスモークやキャノン砲のテープ打ちを交えつつ、観客の度肝を抜きながらたたみかけ、「Hi-Five」のアウトロでジャニス・ジョプリンばりのスキャットをアドリブで聴かせ、客席を沸かせると、志帆はこんなふうに言った。
「誰かの前で歌うのは3年ぶり。心臓が口から飛び出るくらい緊張して、ライブってどうやってやるんだっけ⁉って心配しながらステージに立ったけど、みんなを目の前にしたら、あっという間に思い出しますね!」
生粋のライブ・パフォーマーの面目躍如を思わせる言葉に頼もしいとわくわくさせられた。「全力で1公演に賭けたいと思ったので、会場に来られたのは1万4,000人だけど、WOWOWの生配信を見ている人達に届くように、みんなでこの会場に熱い空気を作りたい。15周年記念ライブってことで、懐かしい曲もやるし、久々にやる曲もあります。どんな曲が来るか、みんな、楽しみにしていてほしいです!」
この日Superflyが2時間半の熱演で演奏したのは、「懐かしい曲もやるし」と言った直後に披露した2007年発表の1stシングル「ハロー・ハロー」をはじめ、新旧のレパートリーから選んだ全19曲。コーラス隊が会場全体を包みこむような志帆の歌声にゴスペルのニュアンスを加えた「輝く月のように」、メロディをたたみかけるエモーショナルなサビが観客の気持ちをぐっと掴んだ「Wildflower」、円形ステージを覆い隠すように降りてきた紗幕に海の世界の映像を映し出しながら熱唱を披露したサザン・ソウル風バラード「On Your Side」など、バラードを中心にじっくりと聴かせた前半。そして、ギター、キーボード、ベース、ドラム、ストリングス、コーラス、ホーンと長尺のソロ回しで盛り上げたところに衣装を変えた志帆が4人のダンサーを従えステージに登場した「Beep!!」、志帆がブルース・ハープのソロも披露して、演奏し終わった後、「眠っていた何かが目覚めちゃいますね」と破顔一笑したブルース・ロックの「マニフェスト」、ウェーブする観客と一体感を作った「Alright!!」、ファイヤーボールに加え、いつの間にかステージの左右に降りていた幕に疾駆する馬の映像を映し出して、またもや観客の度肝を抜いたファンキーな「ダイナマイト」など、アップテンポの曲をたたみかけた後半。
ともに見どころはアリーナならではのスぺクタクルな演出やダンサーも含め、21人のバンド・メンバーとともにショウアップしたステージングもさることながら、何と言っても志帆の圧倒的なボーカル・パフォーマンスだったことは言うまでもないが、今回はそこに新旧のレパートリーの数々とともに表現した志帆の心境の変化も付け加えてみたい。
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