伝説的ギタリストを愛する2人の世代を超えたスペシャル対談
アンドレ・レリス×Katzuya Shimizu、映画『ランディ・ローズ』で呼び起こす自らの原点
2022.11.19 17:00
2022.11.19 17:00
11月11日に劇場公開を迎えた映画『ランディ・ローズ』は、1982年3月19日に25歳の若さで他界した伝説的ギタリストの、あまりにも短い生涯を追ったドキュメンタリー作品である。オジー・オズボーンに選ばれた最初のギタリストであり、『BLIZZARD OF OZZ』(1980年)、『DIARY OF A MADMAN』(1981年)という彼の初期2作で美しくも鬼気迫るプレイを聴かせていた彼が、そこに至るまでにどのような日々を過ごしていたかを垣間見ることができるのみならず、その人物像についても伝えてくれる資料的価値のある作品に仕上がっている。
そして先頃、この作品を手掛けたアンドレ・レリス監督がプロモーションのために来日し、ランディからの影響を自負する八十八ヶ所巡礼のギタリスト、Katzuya Shimizuと対談をすることになった。世代も音楽的背景も異なる2人の会話が、ランディを共通項としながら熱を帯びていくさまが文面から伝われば幸いだ。
──まずはKatzuyaさんから自己紹介をお願いします。
Katzuya Shimizu(以下、Katzuya) 八十八ヶ所巡礼というバンドのギタリスト、Katzuya Shimizuと申します。
アンドレ・レリス(以下、アンドレ) はじめまして。残念ながら僕にはそのバンド名をすぐには憶えられそうにないけども(笑)、いかにも重たい意味がたくさん含まれていそうな名前だね?
Katzuya いや、実は意味はさほど重視していなくて、むしろインパクト勝負というか。英語じゃない名前で印象の強いものにしたかっただけのことなんです。
アンドレ なるほど。最近はアメリカなどでツアーをしている日本のバンドもいるようだけど、君たちにもそういった経験があるのかな?
Katzuya いや、まだないんです。一度だけフランスでフェスに出たことがあるんですけど。
アンドレ 海外のバンドが日本に来た時に前座を務めたりという経験は?
Katzuya 残念ながら今のところそういった機会にも恵まれていなくて。
──さて、せっかくですからここで監督には八十八ヶ所巡礼のミュージック・ビデオを見ていただきましょう。曲は「攻撃的国民的音楽」です。
Katzuya なんだか審査されてるみたいですよね。変な汗かいてます(笑)。
アンドレ (映像をしっかりと最後まで見たうえで)クールだね! 素晴らしい。とても気に入ったよ。他にないスタイルの音楽だと思うし、とてもユニークだ。ベースの細かい刻みとかも面白い。バンドは東京を拠点に活動しているのかな?
Katzuya そうですね。ライヴは日本全国でやっていますけど。
アンドレ 欧米での可能性もあると思う。サウンド的にすごくいいし、端々から才能を感じるよ。欧米のバンドと明らかに違うのがいい。ただ、僕自身、日本語の歌詞のまま英語圏でやるとどういうことになるのかについては見当もつかないんだけども。
Katzuya 僕自身にももちろん海外でやってみたいという気持ちはあって、結構まわりからも海外展開したほうがいいと勧められたりもしてるんです。フランスに初めて行った時も、実際に現地のオーディエンスの反応を目の当たりにして、「ああ、確かに海外でやるのも自分たちには向いてるのかな」と感じましたし。
アンドレ 結成してからどれくらいになるのかな?
Katzuya 17年目になりますね。
アンドレ 君自身がまだ17歳ぐらいに見えるよ(笑)。すごく若く見える。
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