イナズマロック フェス 2022 特集 第4回
今年のイナズマを振り返る──温かい愛で包まれた2日目、強い結束で来年へ
2022.10.19 17:00
2022.10.19 17:00
全国のフェスでトリを飾る面々が一堂に
さて、中日となる本日(台風接近により最終日が中止となった為、実質的には2日目が最終日ではあったのだが)はロックフェスの名の通り、強靭なバンドサウンドを響かせるアクトが多数出演。
続いてはMY FIRST STORY。2012年に入場無料の風神ステージで初出場を経験してから10年が経過し、満を辞して雷神ステージへの登場である。先ずは挨拶代わりとばかりに代名詞でもある「不可逆リプレイス」をプレイ。重厚かつ盤石なバンドのアンサンブルに乗ってHiroは高らかに歌声をドライブさせて行く。そのままに「I’m a mess」、「1,000,000 TIMES」でポテンシャルの高さを存分に見せつけると、「REVIVER」ではラップまでをも披露。”声”と言う表現を縦横無尽に使いこなし、バラードである「With You」ではそのエモーショナルな歌声で会場を完全掌握。個々に激しく立ち回りながらオーディエンスをアジテーションしていくバンドは、もはや身体全体が音楽と化しているかの様だった。
次に控えるはTHE ORAL CIGARETTES。先程とは打って変わってのニヒルな佇まいでステージに立つ4人の色気にオーディエンスも圧倒されている。恒例の”一本打って!”の開幕宣言から繰り出されるのは「接触」。シングル「BLACK MEMORY」のカップリング曲からのスタートと言う攻めの姿勢だ。その後もバンドは「ENEMY feat.Kamui」や「BUG」と直近のモードが窺い知れる曲群を連発。ダークヒーロー的なライブで客席を妖艶に染め上げ、ラストは屈指のキラーチューンである「狂乱 Hey Kids!!」。ライブ中盤では自身の地元である奈良県でもいつかフェスをと未来への展望を語ったオーラル。これからの活動にもより一層の期待が高まるアクトであった。
またもや先程とは打って変わってミステリアスな空気感を纏ってステージに現れたVaundy。自身の楽曲のみならず提供曲も数知れずと言う類稀なるシンガーソングライターだ。イナズマロック初出演となるステージは「不可幸力」からのスタート。音源とはまた違った、強靭なバックバンドによる生演奏がビシビシと身体を刺激する。そんな会場の空気を察したかの様に「踊り子」をプレイすると、続く中盤ではメロウな楽曲でオーディエンスを酔わせにかかる。高らかに伸びる歌声とダンサブルなビートに身体を預け……という何とも贅沢な時間を届けてくれた。特に曇り空の下で放たれた「東京フラッシュ」の心地良さは格別であったし、「怪獣の花唄」の多幸感は是非とも生で味わうべき。
リハでは早速の「ナノ・セカンド」。そして本編は強烈なドラムソロからの「IMPACT」で始められたUVERworldのライブ。言わずと知れた滋賀県出身のバンドであり、西川を除いてはイナズマロック最大の功労者とも言えるだろう彼等は持ち味であるスケールのデカい楽曲の数々でオーディエンスの度肝を抜く。ハイライトは終盤に差し掛かろうと言うタイミングで「この曲を俺たちが生まれた滋賀県で歌う事を夢見ていた」と語り、コロナ禍から自身を救ってくれた楽曲でもあるとして演奏された「EN」。凄まじい熱量でもって繰り出される言葉の強さには思わず熱いものが込み上げてきてしまった。エレクトロとマンパワーの究極的融合とも言える、圧倒的なパフォーマンスであった。
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