イナズマロック フェス 2022 特集 第2回
西川貴教ロングインタビュー【後編】──イナズマで得た家族、共に突き進む未来
2022.09.11 18:00
2022.09.11 18:00
人に仕事を投げることの大切さを覚えた
──今年のメンツがまさにそうだと思うんです。モーニング娘。’22と櫻坂46と、あとラスベガスが一緒に出るフェスってのも聞いたことないです(笑)。
アイドルマスター SideMと打首獄門同好会って、もう食あたりしそうだもんね(笑)。
──その組み合わせもある程度ご自身で考えられたりしてるんですか?日にちとかは、もちろんアーティストのスケジュールが最優先だとは思うんですけど。
まずそれが最優先。皆さんご希望の日があるので。その上で、今うちは委員会方式をとってて、委員会の見解として、タイムテーブルなんかも最終報告を受けつつ、「ここはこっちのがいいんじゃないの?」とか意見をさせてもらっているんです。でも基本的には、僕なんかよりお客様に近い立場の方の意見をできるだけたくさん聞くようにしてます。僕がもっとしなきゃいけないのは、全体のゾーニングだったり、今年はこれを目指していくという大きい旗振り。ある意味僕もやっと、このフェスを5年以上続けられてきたあたりから、人に仕事を投げるっていうことの大切さを覚えられるようになった。
──それまでは自分でほぼ全て管理していたってことですよね。
これは続けちゃいけないと思ったのよ。こんなんじゃ本当に人として生きていくことが難しい方向になっちゃう。それでなくてもフェスを始めたことで、いわゆる通常のツアーとか通常のアルバムの制作やリリースが滞ったりしちゃって、周りからは本末転倒だって言われましたから。
──でも、ペースが落ちてた印象は全く無いです。旗揚げ当初はまだ abingdon boys schoolの時代だった時ですよね。
ありがたいことに、本当に周りにも恵まれていたと思う。僕は本当に才能が飛びきりあるわけじゃないし、何か秀でたものがあるわけじゃないと自分でも自負してて。その上で一番僕にとってのある種の才能は、そのタイミング、タイミングで出会った人たちが、ピンチを救ってくれたりすること。逆に言うとそれまでにどういった行いをしていたかということにはなると思うんですけどね。
──西川さんのことは兄さんって呼ばれる方々も今多いですよね。呼ばれてらっしゃる自覚もあるんですか?
呼称として定着しちゃった、みたいなところがあるとは思うんだけど(笑)。今年のイナズマもこれだけの振れ幅なのに、プラスで芸人さんが入ってくるからね。
──かつての芸人さんの出演者を振り返ると、「ひょっこりはん出てる!先見の明がすごい」みたいな(笑)。
この数のタレントさんを滋賀にお招きするっていうのは、本当に委員会を含めてスタッフが頑張ってくれてるおかげ。スタッフのみんなが「こういうことしたって本人喜ばないんじゃないかな?」とか「俺はこっちがいいと思うんだけどなぁ、でもなぁ」みたいに思っちゃうと、その段階でいろんなアイデアがスタックする気がするから、とにかくやってもらって、駄目だったら何とかするっていう感じのスタンスにだいぶ慣れるようになってきて。
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