本間昭光のMUSIC HOSPITAL 第2回 キタニタツヤ(後編)
キタニタツヤが日本で見据える未来、大切にしたい“響き”と世界観
2022.07.12 17:00
2022.07.12 17:00
日本語の美しい響きにサウンドを合わせれば、世界でもいけるんじゃないかな(本間)
本間 世界は見据えてる?
キタニ 聴いて欲しいですね。今はサブスクで聴いてもらえるので。
本間 英語バージョンとか制作する気は?
キタニ 歌詞を変えようとは逆に思わないですね。サウンドの練度はもちろんあげたいですけど、日本語特有の響きが海外の人に面白がってもらえる可能性はあるし。それに歌詞を変えるとメロの質が変わっちゃうって僕は思ってるんですよ。言語ごとにサウンドの響きがあるじゃないですか。例えば「なんか今日は疲れたから耳触りの良い音楽聴きたいな」と思った時にフランスのインディー・シーンを漁って「あー、優しい。子音がとげとげしてないわ」とか思ったり。それに、日本語の響きがそのメロディの聴こえ方を手伝っている部分は絶対あると思ってるんで、しばらくは英詞で歌うことにはあまり興味は無いです。そのうちどうなるかわかんないですね(笑)。むしろ、韓国語、フランス語とかは耳触りが良いからちょっと気になってますけどね。
本間 なるほどね。昔、大貫妙子さんがフランス語で歌ってて、聴いててすごい気持ちよかったね。フランス語、確かに面白いかもね?
キタニ フランスの音楽ってメロディが日本語の歌謡と近い部分があって聴きやすくて、すごい聴いちゃうんですよ。
本間 QUEENのフレディ・マーキュリーが日本語で歌ってるのって聴いたことある?。「手をとりあって」っていう曲。
キタニ え、それは何かの名曲を日本語バージョンで歌うとかじゃなくて?。
(本間がその場で「手をとりあって」を流す)
キタニ すごい!日本語全然変じゃなかった!
本間 上手すぎるよね。だから、日本語の美しい響きと合わせてサウンドを作っていけば、世界規模でもいけるんじゃないかなっていうのは、これを聴いたら思う。
キタニ 日本特有の強進行が多い感じとか、日本語の言葉のつまり方も独特さも、それはそれで面白いなと僕は思うし。サウンド面でもキラキラしてるじゃないですか。
本間 みんなキラキラしてるね。
キタニ それもそれで面白がってもらえるんじゃないかな、とは思います。
次のページ