2022.07.06 18:00
2022.07.06 18:00
ODD Foot Worksの自主企画『GALAXY MOTEL vol.6』が渋谷CLUB QUATTROにて去る6月16日に開催された。本来はこちらのツーマン、4月15日に『GALAXY MOTEL vol.5』として行われる予定ではあったもののKroiメンバーの新型コロナウイルス感染により延期となったという経緯があり、奇しくも、また、満を持しての、リベンジマッチとも言えるカードとなった。
そんな世紀の一夜を目撃せんと会場に集結したオーディエンスを迎えるのは場内BGMの鈴木雅之「め組のひと」である。ODD側のセレクトかKroi側のセレクトかはいざ知らずであるものの、相変わらず選曲からして分かってるよなあ、こないだのTHE FIRST TAKEサイコーだったもんなあ(THE FIRST TAKEバージョンの「違う、そうじゃない」は必見必聴)の思いで気持ち良く身体を揺らしていると、まずは先攻であるKroiが登場。
深いハモンドオルガンのイントロが鳴り響き、そこから鋭いギターリフへ。「Small World」からのスタートだ。ノースリーブのTシャツを着用し何故か出立ちが1人だけやたらとメタリック(それは最早マーティ・フリードマンのコスプレかと紛うくらいのメタリックであった)であった長谷部悠⽣(Gt)が繰り出す切れ味抜群のプレイに呼応するかの様な内田怜央(Vo,Gt)の動きもキレにキレているし、曲中盤に挟み込まれる千葉⼤樹(Key)のシンセソロもキレキレ。先日Zepp DiverCityでのワンマンを終えたばかりという事もあるのだろうし、何しろ今宵のリベンジマッチに1番燃えているのは他ならぬ当人達という事もあるのだろう。
そのままの勢いでテンポよく「Mr. Foundation」をプレイするとMCへ。コロナ感染に対するお詫びと言った内容であったが、裏では次曲を匂わせるカッティングが鳴らされている。ワウがかったカッティングに軽快な歌い出しが繋がり、「Balmy Life」へ。なんと関将典(Ba)は親指でのピッキングと人差し指でのピッキングを展開によって使い分けているではないか。スタッカートを強調したプレイで益田英知(Dr)のリズムに更なる彩りを加える。
続いての「selva」ではサビの裏で鳴っている運指の練習(笑)みたいな忙しない長谷部のフレーズと千葉のコーラスが冴える。ベースソロとドラムソロが挿入されるアレンジやアウトロには楽器総出のセッションパートまで加えられており、その芸達者っぷりには舌を巻き過ぎて窒息してしまいそうな思いだ。
シームレスに曲は「Page」へと繋がる。内田がパーカッションを打ち鳴らし、打楽器が加わった事でテンションが上がったのだろう、益田も顔を歪めながらスネアの力強さを増していく。中盤でEarth, Wind & Fireの「Let’s Groove」のリフが挟み込まれるアレンジはライブではお馴染みの一幕。血を這う様なフロアタムの刻みから始まるのは目下の最新曲である「Pixie」。サイケデリックな世界観を鬼気迫る様な演奏で叩き付ける。
再びのMCでは内田がVIVA LA ROCKで初日の4月30日に同日出演であった為、ODDのメンバーとすれ違う度に平謝りだったという裏話を明かすが、関曰く「最後の方ちょっとふざけてなかった?」との事(笑)。益田は先の「Page」の熱演で髪が口に入ってしまい、筆者とは別の意味で窒息しそうだったらしい([Alexandros]のライブ中筆者も同じ経験を何度もしているので分かるぜその気持ち)。
「ちゃんとあっためてから次にお渡しするので、あったまってって下さいね!」の宣言と共に「Everybody Funky」の掛け合いが楽しい「Juden」へ。一体感を増す会場の中、やはり1人だけFunkyではなくMetalcな出立ちの長谷部はコミカルな動き(掛け合いの中でこれ見よがしに腕を振り上げるのだが、その脇はつるつるであった)や歯ギター(ジミヘンの得意技)で自身を猛アピールし、内田はボンゴで、関はスラップで、負けじとこれに応戦する。続く「侵攻」でステージをディープに染め上げた後、残り2曲と言うMCを挟んで「HORN」「Fire Brain」という強烈コンボでフィニッシュ(後者の超ハイテンションな演奏は特に凄まじかった事を追記しておく。Kroi、やり散らかしてました笑)。
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