2025.12.29 12:00
©2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会 ©2023 永井紗耶子／新潮社
2025.12.29 12:00
2月27日(金)より全国公開される柄本佑主演映画『木挽町のあだ討ち』の場面写真が初解禁された。
第169回直木賞・第36回山本周五郎賞をダブル受賞した永井紗耶子の時代小説を映画化した本作。芝居小屋を舞台に仇討ちの裏に隠された真実を描いた原作は、「このミステリーがすごい！2024年版」「ミステリが読みたい！2024年版」などにも選出されたほか、2025年には歌舞伎としても上演され大きな話題を呼んだ。
物語の発端となるのは、ある雪の降る夜、芝居小屋のすぐそばで成し遂げられた美しい若衆・菊之助による仇討ち。その事件は多くの人々の目撃により美談として語られることとなった。その1年半後、菊之助の縁者と名乗る侍・総一郎が「仇討ちの顛末を知りたい」と芝居小屋を訪れ、菊之助に関わった人々から事件の経緯を聞く中で隠されていた事実が徐々に明らかになっていく。そこに待ち受ける想像を超える展開とは。
主演の柄本佑が演じるのは、仇討ち事件の真相を追う田舎侍・加瀬総一郎。さらに芝居小屋「森田座」で謀略を巡らせる立作者・篠田金治を渡辺謙、仇討ちを遂げた若者・菊之助を長尾謙杜、主人を殺した男・作兵衛を北村一輝が演じる。また瀬戸康史、滝藤賢一、山口馬木也、愛希れいか、イモトアヤコ、野村周平、高橋和也、正名僕蔵、石橋蓮司、沢口靖子ら豪華キャストも集結。監督・脚本は時代劇の名手・源孝志が務め、日本映画界が誇る実力派キャストとスタッフが集い“あだ討ち”をめぐる江戸ミステリーを描き出す。
総一郎役の柄本佑、金治役の渡辺謙
解禁された場面写真は、仇討ち事件の真相を知るため江戸・森田座を訪れた田舎侍・加瀬総一郎（柄本佑）の姿をはじめ、芝居小屋の立作者・篠田金治（渡辺謙）が見せる重く含みのある佇まい、そしてすべての発端となった菊之助（長尾謙杜）と作兵衛（北村一輝）が睨み合い揉み合う仇討ちの瞬間などを収めた12点。父の仇を討つため刀を振り上げる菊之助の覚悟に満ちた姿だけではなく、清左衛門を手にかけその息子・菊之助によって仇討ちされることになる無法者で博徒の大男・作兵衛の存在もまた、単なる“悪”として片付けられない影を物語に落としている。
さらに森田座の個性豊かな面々が一堂に会し総一郎が話を聞く場面からは、芝居小屋という場所に集った人々がそれぞれに事情と秘密を抱えて生きる様が滲み出ている。類稀なる人たらしぶりで木戸芸者・一八（瀬戸康史）から話を聞き出していく総一郎や涙を流す菊之助、歌舞伎の舞台に立つ金治の姿など、仇討ちという出来事の裏側でそれぞれが背負ってきた人生や感情の断片も写し出されており、美談として語り継がれてきた仇討ちの夜に本当は何があったのかという“もう一つの物語”が解き明かされていく過程を垣間見ることができる。
なお人々の証言をつなぎ合わせ観る者を真相へと導いていく主人公・総一郎は、原作では多くを語られない人物だった。しかし映画では、森田座に集う曲者揃いの人々と対峙しながら、その都度距離感を変えていく語り部的な役割を担っている。総一郎を演じた柄本も「（総一郎は）原作の中ではそこまで描かれていない人物ではあるんですけど、とにかく謙さんはじめ、曲者揃いの方々と対峙するところがあって。それぞれの個性がでかすぎて、それぞれ違う映画を撮っているんじゃないかと思うぐらいでした」と語り、「癖の強い方々と相対して、とっても楽しくやらせていただきました」と振り返っている。
『木挽町のあだ討ち』場面写真 ©2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会 ©2023 永井紗耶子／新潮社
