2025.12.21 16:45
©藤本タツキ/集英社 ©2026 K2Pictures・集英社
2025.12.21 16:45
是枝裕和の監督・脚本・編集により実写化されることが先日発表された映画『ルックバック』の超特報映像と、監督のコメント動画が解禁された。
『チェンソーマン』や『ファイアパンチ』などを代表曲に持つ藤本タツキによる原作漫画は、2021年に少年ジャンプ+で公開されると初日で閲覧数250万回以上を記録し、現在37の国と地域で出版されている。“藤野”と“京本”という漫画家を目指す2人の少女を描いた物語は、2024年公開の劇場アニメが興行収入20.4億円の大ヒット。海外でも33の国と地域で上映されるなど国内外から高い評価を受けた。その実写映画化でメガホンをとる是枝裕和は『万引き家族』(18)でカンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドールに輝いたことから今回の『ルックバック』も話題となっており、早くも韓国と台湾で上映されることも決定している。
解禁された超特報は、少女が漫画を描く手元とその音から始まる。そして移り変わる季節とともに藤野の背中やどてら姿の京本の背中、漫画を描く2人など原作の名場面が描かれていく。
なお本作は、是枝監督の希望により全編フィルムでの撮影を敢行。2025年の2月から11月にかけて長期にわたり行われた撮影で、監督はカメラマン・上野千蔵とともに美しい四季とあわせて藤野と京本の姿を丁寧にフィルムに焼き付けていった。そして音楽は、ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(21)やアニメ『怪獣8号』(24~)などの映像作品や、米津玄師や宇多田ヒカルらの楽曲を手がける坂東祐大が担当。坂東は「藤本タツキ先生の唯一無二のストーリーのもと、素晴らしい演技、四季折々の美しいにかほの風景、そしてその時間を丁寧なまなざしで捉え刻み込まれた格調高いフィルム映像。音楽でもこの世界を丁寧に紡げていけたらと思います」とコメントを寄せた。
また、是枝監督のコメントは7月の撮影時に秋田県にかほ市で収録されたもので、原作への思いなどが語られる約2分の映像。この超特報映像とコメント動画は本日12月21日(日)に行われた「ジャンプフェスタ2026」の会場でも公開された。なお超特報映像は12月26日(金)より全国の劇場(一部劇場を除く)にて上映が開始されるほか、先日発表された2点のビジュアルを使用したチラシとポスターも同日より掲出される。
坂東祐大(音楽) コメント全文
大学院生の頃、早稲田松竹で『歩いても 歩いても』と『海街diary』の二本立てを観た日、是枝監督がふらりと劇場に現れ、上映前に挨拶をされたことがありました。
いつか是枝組に参加してみたい――そう思うようになって、10年以上が経ちます。
そして今回、初めて是枝組の映画に参加させていただくことになりました。
藤本タツキ先生の唯一無二のストーリーのもと、素晴らしい演技、四季折々の美しいにかほの風景、そしてその時間を丁寧なまなざしで捉え刻み込まれた格調高いフィルム映像。音楽でもこの世界を丁寧に紡げていけたらと思います。
ご期待ください。
解禁済みコメント一覧
是枝裕和(脚本・監督・編集)
京都からの新幹線の帰り、品川駅の本屋に平積みされていた表紙の「背中」に惹かれて、思わず手に取ったのが、「ルックバック」との出会いでした。
その晩、一気に読みました。
漫画と映画でジャンルは違いますが、同じ作り手として、覚悟が切実に伝わってくる作品で、きっと藤本タツキさんはこの作品を描かないと先に進めなかったのだろうなと、そんな気持ちが痛いほど伝わってきました。
自分にとっては、『誰も知らない』がそんな作品でした。
その出会いのあと、小出プロデューサーから「ルックバック」を実写映画に、という誘いを受け、藤本さんにお会いする機会をいただきました。
まずは、このような作品を世に産み落としていただいたこと、その作品に同時代に出会うことができたことへの感謝をお伝えできればと思っていたのですが、その帰り道、「やらないわけにはいかない」と覚悟を決めたことを覚えています。
撮影は終了し、現在、編集中ではありますが、とても豊かなものが映し出される作品になるのではないかと思います。
藤本タツキ(原作)
是枝監督作品で初めて見たのは『海街diary』です。
主人公が新しく住む事になる家の中や、町の食堂の中の家具などがとても生活感があって物語に説得力を持たせるものになっていました。物語に関わらない細かい演技なども、キャラクターが日々、僕達の見えない所で生きていると思わせるもので感動しました。
是枝監督がルックバックを撮ってくれるなら僕はもう何も言う事はないです。楽しみにしています!
小出大樹(企画・プロデューサー)
ジャンプ+で公開された日に何度も読み返しました。衝撃でした。すごいものを読んでしまったと思いました。様々な感情とともに、ぼくは、藤野の背中から、なにか強い力をもらった気がしました。
その矢先、藤本タツキさんにご挨拶できる日がありました。藤本さんに読んだ直後の感想を伝えたいと思っていたのですが、ぼくは、間際になって、この漫画を、是枝監督による実写映画にさせていただけないかと伝えたいと思っていることに気がつきました。
是枝監督とは、ぼくが学生の頃に受けていた授業の先生として出会い、教室の席からその背中をみつめていました。『誰も知らない』で、1年をかけて四季をめぐりながら子どもたちの成長を撮影したこと、『海街diary』や『奇跡』で、子役の方に台本を渡さずにセリフを口伝えで演出されたことなど、これまで見聞きした話が思い出されました。なによりも、『誰も知らない』を観た際に抱いた強い感情が呼び起こされ、考えれば考えるほど、この実写映画化に際しては、是枝監督しかいないのではないかと思い、お声がけしました。
是枝監督をはじめ、キャストとスタッフの皆さん、秋田県にかほ市の方々と、四季を通じて、出来うる限り丁寧に撮影してきました。力を尽くして作りますので、楽しみにしていただければと思います。
