凍てつく新潟を切り取った東京フィルメックス用ポスター解禁
北村匠海×宮沢りえ×永瀬正敏共演、内山拓也監督渾身の自伝的一作『しびれ』2026年公開決定
2025.11.22 15:00
©2025「しびれ」製作委員会
2025.11.22 15:00
北村匠海主演映画『しびれ』が2026年に劇場公開されることが決定し、現在開催中の第26回東京フィルメックスのために作られたポスタービジュアルが解禁された。
『佐々木、イン、マイマイン』(20)、『若き見知らぬ者たち』(24)とこれまで“現実に抗いながらも何かを掴もうとする若者の青春”を見つめてきた内山拓也監督が、居場所とアイデンティティを模索する少年の物語を自伝的作品として描く本作。主人公は、幼少期に暴君のようだった父の影響から言葉を発しない少年・大地。母の亜樹と雑居ビル屋上のプレハブで暮らしていたが、やがて叔母の家に身を寄せることになる。しかしどこにも居場所はなく、ひとりで過ごしては内気になっていく日々を送っていた。そんな中、父の行方を求めて生家を訪ねることを決意したことを境に彼の運命が大きく揺らいでいく。貧困や孤独、そして憎くて愛しい母への複雑な感情を抱えながら、大地が大きな愛を知るに至るまでの20年間が徹底した少年の視点で綴られる。
北村匠海が演じるのは、どこにも居場所がない孤独な少年期をくぐり抜けた青年期の大地。自分のもとを離れた父への静かな怒り、そして女手一つで自分を育てた母に対する憎しみと愛という相反する感情に揺れる心の内を体現する。また、水商売で日銭を稼ぎ世間的には育児放棄と呼ばれるような生活を送るものの、細部に息子への確かな慈愛が滲む繊細な大地の母・亜樹役には宮沢りえ。そして暴君のような姿から一転、時が経ってかつての威厳が消え、悲哀に満ちた余生を送る大地の父・大原を永瀬正敏が円熟味たっぷりに魅せる。さらに少年期の大地を演じるのは榎本司(『ちはやふる -めぐり-』)、加藤庵次(『ぼくが生きてる、ふたつの世界』)、穐本陽月(『TOKYO MER~走る緊急救命室~』)の3人。言葉を発しない代わりに、それぞれが無垢で力強いまなざしで心の奥底に渦巻く寂しさや母親への愛情を表現する。
本作が本日ワールドプレミア上映される第26回東東京フィルメックスは、11月30日(金)まで有楽町朝日ホール、ヒューマントラストシネマ有楽町にて開催中。今回解禁されたビジュアルには“しびれ”という手書きのタイトルがダイナミックに配置され、まっすぐにこちらを見据える大地の姿と曇天、大粒の雪、寂れた町の一角といった凍てつく新潟の土地が切り取られている。
