"夢幻能"のフォーマットを応用し幽玄の世界を紡ぐ
アオイヤマダ&⼩栗基裕主演、岡⽥利規作・演出の『未練の幽霊と怪物』公演情報とビジュアル解禁
2025.10.08 12:00
2025.10.08 12:00
2026年2⽉13⽇(⾦)からKAAT神奈川芸術劇場〈⼤スタジオ〉にて上演される『未練の幽霊と怪物―「珊瑚」「円⼭町」―』の公演情報とビジュアルが解禁された。
KAAT神奈川芸術劇場では、2025年度メインシーズンのタイトルを「虹〜RAINBOW〜」とし、本作品『未練の幽霊と怪物―「珊瑚」「円⼭町」―』を含む5作品を上演。その最後を飾る本作品は、現代演劇における⾔葉と⾝体、空間がおりなす可能性を開拓し、国際的に活躍する演劇作家の岡⽥利規(チェルフィッチュ主宰)が現存する世界最古の舞台芸術「能」に触発された⾳楽劇となる。
岡田は⽬に⾒えないもの、霊的な存在がその思いを語る「夢幻能」の構造を借りて紡ぎ出す音楽劇として、2021年にKAATで『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』を上演しており、今回はその第⼆弾。能の中でも『夢幻能』と呼ばれる形式の舞台には、主に社会的・政治的な問題を理由にさまざまな思いや願いを果たせないまま亡くなり成仏できずにいる幽霊が「シテ(主⼈公)」として登場し、今回は埋⽴てが続く辺野古に⽣息していた『珊瑚』をシテとする1作と、社会の獰猛な渦に翻弄された⼥性に主眼を置く『円⼭町』の2本⽴てで上演される。
主役である「シテ」には、東京2020オリンピック閉会式でソロパフォーマンスを披露し、気鋭の表現者として多彩に活動するアオイヤマダと、世界的ダンスパフォーマンスグループs**t kingzのメンバーとして活躍する⼀⽅、近年では舞台や映像などソロでの表現の幅を広げる⼩栗基裕。「ワキ」には、今回が岡⽥作品4度⽬の参加となる⽯倉来輝、プロダンスチーム「KOSÉ 8ROCKS」に所属しながら俳優としても領域を広げる七瀬恋彩、さらにCM・舞台・声優など多⽅⾯で経験を重ねる沖縄出⾝の清島千楓が決定。「アイ」には、第⼀弾にも出演し、唯⼀無⼆の存在感で印象を残した⽚桐はいりが続投する。
⾳楽は前作に引き続き、内橋和久が担当。そして謡⼿として今回は奄美出⾝の⾥アンナが参加し、岡⽥の紡ぎだす繊細な「謡」を内橋の演奏に合わせて歌いあげる。
岡⽥利規 コメント
社会とその歴史は、犠牲者としての未練の幽霊と怪物を、ひっきりなしに⽣み出して来て、今だって⽣み出し続けています。
わたしたちはそれら幽霊や怪物のことを⾒ないこと忘れてしまうことを、その気になればできちゃうし、そのほうが快適な向きは確かにある。
でもそれらに、つまり直視しないこと忘却することに、抗うために、能という演劇形式が持つ構造を借りて、⾳楽劇を上演します。