一足先に鑑賞した作家・嶽本野ばらからコメント到着
美絽×池端杏慈×蒼戸虹子『白の花実』衝撃の問いから始まる予告解禁、美しく不穏なポスターも
2025.10.08 11:00
©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO
2025.10.08 11:00
12月26日(金)より公開される坂本悠花里監督の長編劇映画デビュー作『白の花実』(しろのかじつ)のポスタービジュアルと予告編が解禁された。
『21世紀の女の子』(19)の一篇『reborn』を監督し、中編『レイのために』(19)や短編『木が呼んでいる』(20)などが国内数々の映画祭で受賞した坂本悠花里監督。自身初の長編作品となる本作は、2025年9月にスペインで開催された第73回サン・セバスティアン国際映画祭のNewDirectors部門でクロージング作品として上映されると現地で熱い喝采を浴びた。
周囲に馴染めず転校を繰り返す主人公・杏菜は、新たな寄宿学校で美しく完璧な莉花に出会う。しかし莉花は突然、1冊の日記を残し屋上から飛び降り命を絶ってしまう。それはページをめくるたびに莉花の苦悩や怒りや痛み、そして言葉にできなかった“ある秘密”が浮かび上がる日記で、やがて現れた青白く揺れる“鬼火”のような魂が杏菜の心に入り込み、彼女は予想もしない行動へ踏み出していく。
解禁されたポスタービジュアルでは3人の少女が寄り添い、美しさと不穏さを同時にまとった空気が漂っている。黒い服に身を包み中央に座る杏菜(美絽)と杏菜に寄り添うクラスメイトの栞(池端杏慈)、そしてただ1人、視線を落とし寂しげな表情を浮かべる莉花(蒼戸虹子)。3人の姿には「あなたは、あたしの、誰なんだ」という含みのあるコピーが添えられ、タイトルの横には白い花があしらわれている。
併せて解禁された予告編は「ねえ、莉花ってなんで自殺しちゃったんだと思う?」という衝撃的な問いかけから始まる。賛美歌が響くなか杏菜、栞、莉花の3人がキリスト教の寄宿学校で過ごす日々が映し出され、莉花が突然自ら命を絶ってしまったことで平穏な日常は一変。ある日、杏菜は栞に「莉花の魂が私の中に入り込んできたの」と告げるが栞はあきれたように「は?」と返す。
莉花の死と残された“日記”の存在によって少女たちの心は揺れ動き、やがて静かに渦を巻いていく大人たちとの対立。門脇麦演じる教師・澤井が「そういうのは暴力と言うんです!」と涙ながらに叫ぶ姿も強烈な印象を残し、予告は「少女は、“死”に触れて、自分を知る」というナレーションとともに杏菜が凛とした表情で遠くを見つめるシーンで締めくくられる。
なお、映像中盤には「『ピクニック at ハンギング・ロック』を彷彿とさせる、今年屈指のデビュー作」といったレビューも映し出され、さらに『下妻物語』などを手掛けた作家の嶽本野ばらからコメントも到着。また、本作のInstagramアカウントが新たに開設され、公開まで映画の世界観が伝わる多くの写真が掲載予定となっている。
嶽本野ばら コメント
果実の中で種子が抱いているのは世界への希望か恐れか?
何にでも染まる筈の白が一点の汚れも拒む時、称賛は非難に変わる。
少女は誠実と残酷の二律背反に折り合いをつけない。
だから彼女達の命は花となり揺れる。