2025.07.16 18:00
2025.07.16 18:00
森七菜が主演し、長久允(ながひさまこと)が監督を務める長編映画『炎上』が2026年春に公開されることが決定した。
長久監督は短編映画『そうして私たちはプールに金魚を、』(2017年)が第33回サンダンス映画祭ショートフィルム部門のグランプリを日本映画として初受賞。続く長編映画デビュー作『WE ARE LITTLE ZOMBIES』(2019年)も第35回サンダンス映画祭で日本映画として初めて審査員特別賞のオリジナリティ賞に輝くなど、その作家性が世界からも絶賛されている。
『炎上』は長久監督が映画化するために5年間温めていた企画で、様々な人物に取材を重ねながら作り上げた物語。脚本も手がけた長久監督は「新宿歌舞伎町のニュースを見て、現場を取材し、彼女/彼らの物語を書くべきだと思ったことがきっかけです。」と制作動機を明かしており。リアルさを追求すべく映画の舞台である新宿・歌舞伎町でのロケも実際に敢行し街のありのままの姿を物語に落としこんだ。
主演の森七菜が演じるのは、両親に厳しく育てられ、また自身の感情を表現することが苦手な主人公・小林樹里恵(通称じゅじゅ)。家族との関係に耐え切れず家を飛び出した彼女は、SNSを頼りに新宿・歌舞伎町に辿り着く。初めて知る新たな世界で様々な人と出会い、自分の意思を持つことができるようになった彼女にとって、そこは唯一の安心できる居場所となるはずだった。
初タッグとなる森について長久監督は「ピュアな役をたくさんやられている印象があったが、森さんの内側にはもっとドロドロとしたマグマのような真っ赤なエネルギーを抱えているのではないか、と勝手に想像していました。そんな森さんは本作の主人公・じゅじゅにぴったりだと感じオファーをしました。」と語る。また、森は「自分自身がどこにいるのか分からなくなる撮影期間でしたが、彼女たちの強さを守るために進んだ一ヶ月半でした。見てくれた方がこの物語をどんな風に捉えることになるのか想像がつきません。だけど私たちから何も奪えないことを、地獄には知って欲しい。」と、撮影を振り返りつつ映画を待っている観客へメッセージを寄せた。
併せてティザービジュアル&特報映像も解禁。ビジュアルは主演・森七菜の憂いを帯びたような表情が印象的で、特報映像ではおぼつかない足取りで街中を歩く姿が映し出される。本作の撮影はすでに終了しており、完成へ向け最後の仕上げ中とのこと。
森 七菜(主演)コメント全文
歌舞伎町炎上。この物語は彼女たちだけのもので、自由も地獄も私も、全部誰にも渡さない。
あっちもこっちも地獄だけど、全部きらきらのアスファルトの上にひっくり返してその中から宝石を探す時間。
自分自身がどこにいるのか分からなくなる撮影期間でしたが、彼女たちの強さを守るために進んだ一ヶ月半でした。
見てくれた方がこの物語をどんな風に捉えることになるのか想像がつきません。
だけど私たちから何も奪えないことを、地獄には知って欲しい。
長久 允(監督)コメント全文
映画『炎上』を制作しようと思ったきっかけ
新宿歌舞伎町のニュースを見て、現場を取材し、彼女/彼らの物語を書くべきだと思ったことがきっかけです。
本作を作る中で取材をして出会った、さまざまなバックグラウンドを抱えている彼女/彼らとの対話から、その背景と反比例するような軽妙さで時を過ごしている姿に、その生き方に「強さ」を感じるとともに、またその社会的背景にも憤りました。その後、面白おかしくこの場所を描くコンテンツをいくつも見かけ、そこに違和感を感じ、改めて、この作品を作る覚悟を決めました。
映画を楽しみにしている方へメッセージ
シリアスな物語ではあります。でもあの広場のように騒がしく、キラキラとした映画にもなっています。森さんをはじめ俳優陣の演技、カメラ・照明・美術・衣装・ヘアメイク・音楽・サウンド・編集の全てが素晴らしく絡み合っています。どうか映画館で見ていただけたら嬉しいです。