インタビューでは14年ぶり共演の喜びと絶大な信頼を明かす
綾野剛×亀梨和也の魂が対峙する『でっちあげ』特別映像解禁、本物の豪雨を呼んだ奇跡の10分間
2025.06.11 06:00
©︎2007 福田ますみ/新潮社 ©︎2025「でっちあげ」製作委員会
2025.06.11 06:00
6月27日(金)より公開される綾野剛主演映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』の本編映像とメイキングを凝縮した特別映像が解禁された。
福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)を原作に、日本で初めて教師による児童への虐めが認定された体罰事件を映画化した本作。小学校教諭・薮下誠一は保護者・氷室律子から児童・氷室拓翔への体罰を理由に告発され、報道をきっかけに「史上最悪の殺人教師」と呼ばれ停職処分になる。その後児童側を擁護する550人の大弁護団が結成され民事裁判へと発展するが、法廷は薮下の完全否認から幕を開けることになる。
監督は、映画『悪の教典』(12)や『怪物の木こり』(23)などのほか、ドラマ『新・暴れん坊将軍』でも監督を務める三池崇史。キャストには主人公・薮下誠一役の綾野剛のほか、柴咲コウ、亀梨和也、木村文乃、光石研、北村一輝、小林薫ら豪華キャストが顔を揃えた。
解禁された特別映像は、映画本編より綾野剛と亀梨和也の対峙シーン、その撮影メイキングと2人のインタビューで構成されたもの。実に14年ぶりの共演にも関わらず「昨日会った?というテンションで会えちゃう」という綾野と「不思議だよね」としつつも笑顔で同意する亀梨。2人が極限状態での魂のぶつかり合いを見せた豪雨のシーンについて、綾野は「誇りに思う」、亀梨は「素敵な思い出」(亀梨)と口を揃えて撮影を振り返った。
殺⼈教師の疑惑を向けられることとなる薮下誠⼀(綾野)と、そのいじめの対象とされる児童・氷室拓翔の⺟・氷室律⼦(柴咲コウ)からの訴えにより実名報道に踏み切った週刊誌の記者・鳴海三千彦(亀梨)。解禁された映像では、薮下が自身への疑いを晴らすために証言を得ようと保護者宅のインターホンに向かって「お願いします!」と何度も頼み込むも、それを待ち構えていたかのように鳴海は薮下にフラッシュを浴びせる。そしてマスコミの報道で極限まで追い詰められた薮下が傘も差さずに鳴海の胸ぐらを掴み、感情を爆発させながら自分の思いを訴える。
実はこのシーンは人口的に雨を降らしているのではなく、本物の豪雨だったという。テスト段階では晴天だった天候が本番直前で急に雲行きが怪しくなると、あっという間に豪雨が訪れた。綾野がこのシーンの撮影について「亀ちゃんは嵐まで呼んじゃうから!本当に強烈だった」と笑うと、亀梨も「それは剛くんでしょ!すごいですよ。最初は(スタッフによる)雨降らしだったのにリアル雨ですから。一瞬、10分くらい一気に」と続ける。さらに「傘も(足元に)置いておかないといけないのに風がすごいからギリギリまで剛くんが押さえていて。で、(本番が)終わった後パーン!と晴れて『嘘でしょ!?』って。」と目を大きくしながら語ると、綾野も「普通に見たらスタッフさん降らせすぎって思うくらいの。(あまりに強い風と突然の豪雨に)脅威さえ感じた」と奇跡のような出来事を興奮気味に振り返った。
全身がずぶ濡れになり気力も体力もすり減るような過酷な1日だったが、あらためてこの日の撮影について亀梨は「シーンとすごくリンクしていて、素敵な思い出になっています」と嬉しそうにコメント。綾野も「とても豊かでしたし一緒にできて幸せでしたし、このシーンを亀ちゃんと立ち向かえたことをすごく誇りに思うというか。自分の俳優人生の中でとても大事なプロセスになりました」と満足そうに振り返った。

ともに重要なシーンを作り上げた綾野と亀梨だが、一緒にインタビューを受けるのはこれが初めて。綾野は初めての共演について「自分の至らない芝居を真正面で受けてくれたんです。初めて共演者の人に認めてもらえたというような、すごくそれが残っていて支えになっているんです」とエピソード明かし、14年が経ち2回目の共演となった本作では「今回また現場でこういう形で再会して、お互いの成長を確かめるようにすごく丁寧に作っていけた」と振り返る。さらに亀梨について「僕の方が年齢は上なんですけど、面倒見のいい兄貴肌」と言うと、亀梨も「お芝居の向き合い方をすごく悩んでいた時期にアツく語ったときがあって」と振り返りつつ、「それがすごく印象に残っていて、俳優業をやる上の恩人的な人」と絶大な信頼を寄せていることを明かした。テスト後の瞬間を捉えたメイキング写真からも、2人の間には和やかながらも堅い信頼感で結ばれた絶妙な空気を感じることができる。
場面写真 ©︎2007 福田ますみ/新潮社 ©︎2025「でっちあげ」製作委員会