共演には橋本愛、唐⽥えりか、のん、錦⼾亮、堤真⼀ら
村上春樹の短編を岡田将生×鳴海唯×渡辺大知×佐藤浩市で映画化『アフター・ザ・クエイク』公開決定
2025.05.08 11:00
©2025 Chiaroscuro / NHK / NHKエンタープライズ
2025.05.08 11:00
井上剛監督の最新作で、主演に岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市を迎えた映画『アフター・ザ・クエイク』が10月3日(金)より全国公開される。
本作は、1995年の阪神・淡路大震災以降それぞれ別の時代・場所で孤独を抱える4人の人生が交錯し、やがて現代へ繋がる喪失と回復の物語。2000年に刊⾏された村上春樹の短編集『神の⼦どもたちはみな踊る』(新潮⽂庫刊)に収録されている4つの短編をベースにオリジナルの設定を交えて映像化したもので、4⽉に放送されたNHKドラマ『地震のあとで』と物語を共有しながらも4⼈を結ぶ新たなシーンを加え、映画版ならではの編集で劇場公開される。
岡⽥将⽣が演じるのは、1995年、突然妻に別れを告げられた後、同僚の依頼を受け謎の“箱”を釧路へ運ぶ男・⼩村。さらに、2011年、浜辺で焚き⽕をする男との交流を通して⾃⾝を⾒つめていく家出少⼥・順⼦役を鳴海唯が務める。2020年、熱⼼な信仰を持つ⺟親の元で「神の⼦ども」として育ったが⽗親らしき男との出会いをきっかけにその存在に疑問を抱く⻘年・善也役に渡辺⼤知。そして2025年、巨⼤な蛙の姿をしたかえるくんに「30年前、あなたと⼆⼈でみみずくんから東京を救いました。再び僕を助けてください」と告げられ、再びみみずくんを倒す戦いに挑む元銀⾏員・⽚桐を佐藤浩市が演じる。本作のキーとなるかえるくんの声をのんが担当し、そのほか、橋本愛、唐⽥えりか、吹越満、⿊崎煌代、堤真⼀、⿊川想⽮、井川遥、渋川清彦、津⽥寛治、錦⼾亮など幅広い世代の実⼒派俳優陣が集結した。
監督を務めるのはドラマ『その街のこども』、連続テレビ小説『あまちゃん』などの話題作を手がけてきた井上剛。脚本は『ドライブ・マイ・カー』の⼤江崇允が担当し、未曾有の災害や事件の連鎖が今もなお続く不安定な現代を⽣きる私たちの未来に、⼀筋の光をもたらす希望の物語となっている。
コメント一覧
佐藤浩市(⽚桐役)
このうつつな世界観に浸って彷徨うことに喜びを感じてくれる⽅が数多く⽣まれることを、期待せざるを得ない⾃分がいます。
正解はありません、何年か後に観れば器も中⾝も違うかもしれません。
井上剛監督
先⽇放送されたドラマ「地震のあとで」とはまた趣の異なる、ひとつづきの映画『アフター・ザ・クエイク』を作りました。
1995年に起きた阪神・淡路⼤震災と地下鉄サリン事件の〈揺れのあと〉を描いた村上春樹さんの原作からおよそ30年。天変地異や災厄、不穏な暴⼒などの揺れは今に続き、何かのafterは次の何かのbeforeでもあると知った30年でした。その連鎖のなかにいる⼈間の姿を“映画の時間の中に残したい”と考えたのがはじまりです。
ドラマ版にはない“新たに撮った場⾯がこの映画の語り部”のような役割を担います。時代も⼈も場所もバラバラなはずのエピソードが、観ていくうちに円環のように繋がり共振していく…。映画ならではの体感をお届けできたら。
そしてこの国の地⾯の上に⽣きるひとたちが少なからず持つ震えや祈りのようなものに共感しうる映画であったら嬉しいです。
⼭本晃久プロデューサー
30年というのはとても⻑い年⽉です。30歳の、社会的に中堅に差し掛かろうという⼈物が、苦楽を重ね壮年期に⾄る変化を遂げるほどに。
わたしたちはそうした決して変更されない「直進的な現実」に⽣きていますが、わたしたちの中にある心は、⽇々刻々と複雑なものを抱えて変わっていきます。それは決して直進的なものではありません。
村上春樹さんが30年前に起きた地震を主題として書かれた物語が、今ひと続きの映画になりました。物語とは、時として危ういその複雑さを理解する⼿がかりになると思います。それは明確な解答ではなく、また⼒強い補助線でもないかもしれません。それでも私たちは闇の中で歩みを進めるために、⼿がかりを必要としています。この映画が観客にとって、どこかへ進まれていくためのひとつの道標になってくださればと願います。