2025.04.23 08:00
©︎2025「おーい、応為」製作委員会
2025.04.23 08:00
葛飾北斎の弟子であり娘として、数十年を共にした葛飾応為(かつしかおうい)を描いた映画『おーい、応為』が10月17日(金)に東京テアトル・ヨアケ共同配給にて公開することが決定した。
江戸時代を代表する浮世絵師であり、日本国内のみならず海外で最も有名な芸術家の一人である葛飾北斎。その北斎の娘という境遇はありながらも、浮世絵を含めた芸術は男の世界だった江戸時代においても葛飾応為は数少ない女性の絵師として活躍した。「美人画では敵わない」と北斎も認めるほどの絵の才を持ちながらも、短気で気が強く、煙草がやめられない豪快さを併せ持ち、本作ではそんな応為を日本を代表する俳優・長澤まさみが演じる。2004年『世界の中心で、愛をさけぶ』で第25回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞受賞以降、日本映画界を牽引し続ける長澤にとって、本作は初の時代劇映画主演となる。
脚本・監督を務めるのは『日日是好日』『星の子』の大森立嗣。長澤とは、第44回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞ほか同年の映画賞を総なめにした映画『MOTHER マザー』(2020年公開)以来2回目のタッグとなる。大森監督にとっても初の時代劇映画監督作となる本作で再び長澤を主演として迎えた大森監督は、「長澤まさみと言う女優はいつだってすごくいい。でもこの映画の長澤まさみは最高かもしれない。」と賛辞を送った。
撮影は2023年に1ヵ月強にわたり京都などで敢行されたが、長澤はクランクイン前から独特の筆の持ち方をする浮世絵の練習を重ねたという。再タッグとなる大森監督との撮影について長澤は、「大森監督はパッションが強い方。演じることに向き合うことより、自分と向き合える時間を与えてくれました。心に灯った火を見つめる眼差しに、映画作りへの深い愛情を感じます。」と振り返る。また、演じた応為に関しては「応為は子供の様な大胆さがあり、人の目を気にせず自由に生きます。その姿は現代の女性の匂いを纏っていて、カッコいい。知れば知るほど、味わい深い人物で、実際に彼女に会ってみたい、見てみたいと思いました。絵や北斎に対しては、まるで人生そのものをかけているようで、勇ましく神々しい。その全てに、私は憧れを抱きながら演じていました。」とコメント。そして作品について「凄まじい情熱を持って生きた父娘の姿を温かい目で見てもらいたい。そんな映画になっていると思います」と語った。
さらに大森監督は、撮影を振り返り「長澤まさみさんの演じる応為がオンボロ長屋で佇む姿がいまだに脳裏に焼きついて離れません。おそらく長澤さんは、長澤さんとしてでも、応為としてでもなく、ただの一人の誰か、体の大きな、キセルと犬と絵が好きな、江戸の長屋にいるある女として、そこにいたのだと思います。」と振り返った。
北斎の娘であり右腕、やがて類稀なる絵の才能を開花させていく本作の主人公・お栄は北斎から「葛飾応為」という画号(画家や書家などが本名とは別に用いる名前)を授かるのだが、それはいつも北斎が「おーい、飯!おーい、筆!」と何かにつけてお栄に用を頼むことから付けられた。 茶も入れられず、針仕事もできないが、親ゆずりの画才と豪胆さで、男社会を駆け抜けていった先駆的な女性アーティスト・葛飾応為とは、どのような人物だったのか。本作では、謎多き彼女の歩んできた生きざまの物語が解き明かされていく。
解禁となったティザービジュアルは、長澤演じる応為が筆を手に持ちじっとこちらを見据える印象的な一枚。圧倒的な評価を受ける浮世絵師の父と同じ道を自ら選び、厳しくも豊かな日々を送る応為の表情は意志の強さを感じさせ、「悪かったな、北斎の娘で」という印象的なセリフが添えられている。
夫と喧嘩の末に離縁し出戻り、北斎が90歳で亡くなるまで弟子として娘として、共に暮らし続けた稀代の絵師・葛飾応為。自分の心に正直に情熱を燃やし続けた彼女が最後につかんだ幸せとは。長澤まさみと大森立嗣のコメント全文は以下の通り。
長澤まさみ(主演/葛飾応為役)コメント
大森監督はパッションが強い方。
演じることに向き合うだけでなく、自分と向き合う時間を与えてくれました。
そして私の心に灯った火を見つめる眼差しに、映画作りへの深い愛情を感じます。
応為は子供の様な大胆さがあり、人の目を気にせず自由に生きます。
その姿は現代の女性の匂いを纏っていて、カッコいい。
知れば知るほど、味わい深い人物で、実際に彼女に会ってみたい、見てみたいと思いました。
絵や北斎に対しては、まるで人生そのものをかけているようで、勇ましく神々しい。
その全てに、私は憧れを抱きながら演じていました。
凄まじい情熱を持って生きた父娘の姿を温かい目で見てもらいたい。そんな映画になっていると思います。
どうぞ、宜しくお願いします。
大森立嗣(監督・脚本)コメント全文
応為という女性は北斎(鉄蔵)の娘で、北斎と生活を共にした。絵の才能は抜群だった。彼女の描く美人画は伸びやかで美しく、北斎は自分よりいいと言った。だが残されている作品は数少ない。谷川俊太郎風に言えば、応為はこんなことを思っていたのかもしれない。「そんなこと思ってないよ」と応為は言うだろうけど。
生きているということ
いま生きているということ
それは鉄蔵のイビキを聞くということ
煙草を吸うということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
それは葛飾北斎
すべての美しいものに出会うということ
長澤まさみさんの演じる応為がオンボロ長屋で佇む姿がいまだに脳裏に焼きついて離れません。おそらく長澤さんは、長澤さんとしてでも、応為としてでもなく、ただの一人の誰か、体の大きな、キセルと犬と絵が好きな、江戸の長屋にいるある女として、そこにいたのだと思います。
それは息をしているということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ
長澤まさみと言う女優はいつだってすごくいい。でもこの映画の長澤まさみは最高かもしれない。