CG一切なしの自然と多彩なキャストの場面写真も解禁
華村あすか主演、世界が注目する異才・金子雅和が疲弊した現代人に贈る『光る川』3月22日公開
2024.12.27 18:00
©︎長良川スタンドバイミーの会
2024.12.27 18:00
ユーロスペースにて上映される華村あすか主演映画『光る川』の公開初日が2025年3月22日(土)に決定し、ポスタービジュアルと場面写真が解禁された。
本作は、『アルビノの木』『リング・ワンダリング』など国内のみならず海外映画祭でも多数受賞の異才・金子雅和監督の最新作。金子は川や山といった圧倒的なロケーションと民俗学・美術等に裏打ちされた世界観により、現代人が忘れかけている自然への畏怖や人間の根源にある生命力を描き出す作風で国内外から注目を集めており、本作が長編3作目となる。
岐阜出身の作家・松田悠八の『長良川 スタンドバイミー一九五〇』を原作とする本作の舞台は高度経済成長が始まった1958年、大きな川の上流にある山間の集落。まだ自然豊かな土地だが、森林伐採の影響もあるのか、少年ユウチャとその家族は年々深刻化していく台風による洪水の被害に脅かされていた。夏休みの終わり、集落にやってきた紙芝居屋が披露した演目は、土地にずっと伝わる里の娘・お葉と山の民である木地屋の青年・朔の悲恋。叶わぬ想いに打ちひしがれたお葉は山奥の淵に入水、それからというもの彼女の涙が溢れかえるように数十年に一度、恐ろしい洪水が起きるという。紙芝居の物語との不思議なシンクロを体験したユウチャは、現実でも家族を脅かす洪水を防ぎ、さらには哀しみに囚われたままのお葉の魂を解放したいと願い、古くからの言い伝えに従って川をさかのぼり、山奥の淵へ向かう。
11月にスペインで開催された第62回ヒホン国際映画祭でユース審査員最優秀長編映画賞を受賞した本作では、無垢な少年の眼差しを通し、現代化への分岐点となる高度経済成長期、そしてさらに昔のまだ人が自然への畏怖を持っていた時代が交錯して描かれる。少年が目撃する里の娘と木地屋の青年の関係性には、支配的な社会制度から解き放たれた世界へ向かおうともがく様が描写され、疲弊する現代人への原点回帰的なメッセージが秘められている。
Netflix『シティーハンター』くるみ役などで注目を集めた華村あすかが演じるのは、物語の根幹を支える女性・お葉。お葉との悲恋の相手・朔はNHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」で話題の葵揚が演じる。また、物語の眼差しとなる少年・ユウチャとお葉の弟・枝郎を子役の有山実俊が一人二役で演じているほか、足立智充、山田キヌヲ、堀部圭亮、根岸季衣、渡辺哲といったベテラン、そして『リング・ワンダリング』に続く出演となる安田顕まで、多彩な顔ぶれが揃った。
深く引き込まれそうな水辺、近寄りがたさすら感じさせる洞窟や滝、悠久の時を刻む山々の情景など、物語を彩る神秘的な自然は全て岐阜県内で撮影され得たもので、CGは一切なし。そんな作品世界に寄り添う音楽は、細田守監督作品を手掛けてきた音楽家・高木正勝が書き下ろし、繊細に演奏している。