村上浩康、児玉美月ら著名人の応援コメント第2弾も到着
剛力彩芽、中村映里子らが懸命な雪子の美しさを語る 映画『雪子 a.k.a.』追加キャストコメント解禁
2024.12.17 12:00
©︎2024 「雪子 a.k.a.」製作委員会
2024.12.17 12:00
2025年1月25日(土)より公開される山下リオ主演映画『雪子 a.k.a.』の新たなキャストコメントと著名人からのメッセージが到着した。
本作は、PFFアワード2019日活賞とホリプロ賞の2冠受賞作『スーパーミキンコリニスタ』で注目を浴びた草場尚也の劇場用映画初監督作品。“29歳問題”の渦中で人生に迷った主人公・雪子を演じる山下リオに加え、脇を固める俳優には樋口日奈、占部房子、渡辺大知、剛力彩芽、石橋凌ら実力派が集結。さらに劇中で雪子が披露するリリックは、ラッパーのダースレイダーが本作のために書き下ろした。
主人公の雪子は、記号のように過ぎていく29歳の毎日に漠然とした不安を感じている小学校教師。不登校児とのコミュニケーションも彼氏からのプロポーズにも本音を口にすることを避け、ラップをしている時だけは本音が言えていると思っていたが、思いがけず参加したラップバトルでそれを否定されてしまう。それでも自分と向き合うために、一歩前へ進んだ彼女が掴んだものとは。
今回解禁されたのは、雪子の友人・古賀まりか役の剛力彩芽、SNS総フォロワー数470万人を超えるりゅうと、自身もラッパーとして活躍する椿、本作ではラップ監修も務めたダースレイダー、児童の母・森律子役の中村映里子からのコメント。また、各界の著名人からのコメント第2弾も解禁された。
出演者コメント
剛力彩芽/古賀まりか役
温かくてちょっと切なくて… きっと誰もが感じていることを丁寧に描いてくれていてさらにそれをラップというジャンルで昇華してくれる。ちょっと私もラップに興味を持ち始めたくらい。笑
自分の本音ってなんだろう、伝えたいこと、大切にしてることってなんだろう… 毎日の気付けば過ぎていくような日々に少し意識を向けたいと感じました。そんな心が温かくなる作品に参加させていただけたことも嬉しかったです!そして、主演の山下リオさんと、十数年ぶりに共演させていただけてハッピーでした♡ 学生の役から30代へ突入する大人の役へ…なんだか感慨深かったです。ラップをしている彼女の姿はとても美しいです。ぜひお楽しみに!
りゅうと/吉村鉄平役
新任教師 吉村鉄平を演じました、chocoことりゅうとです。
今回、この作品には鉄平先生として出演しただけでなく、メイキング撮影も担当しています。
この映画の裏側を撮影していたのですがまず1番は子供達が可愛すぎて僕が現場入りする時には、みんなが『ちょこ〜!!ちょこ先生〜』って集まってきてくれるのが本当に何より嬉しかったです!学校の先生にもなりたい時期があったので先生気分になれました。
この映画は教師×ラップの新しい映画です!
草場監督の元で豪華キャストの中、少しでもこの作品に関われて嬉しく思います。沢山の魅力が詰まったこの映画がみなさんの心に響くこと間違いなしです!
ぜひ劇場でご覧ください!
椿/アザミ役
雪子と同じ20代の終わり、私自身もアイデンティティの喪失に苦しんだ事を思い出します。母親になっても30代になっても、バトルで勝っても負けても..結局どこまでも向き合うのは自分自身でした。
心に一つ軸を据えて、じっくり紡いだ言葉が持つ優しさとパワーに脱帽。
ポーズを決めるのは簡単ですが、心を動かすのは心でしかない事を、MCサマーそして雪子先生が体現しています。全人類、全ラッパーに観てほしい!!
ダースレイダー/ラップ監修&レコヤ役
雪子 a.k.a.。a.k.a.とは”何々として知られる”、”またの名は何々”といった意味で使われる。ヒップホップのラッパーにはa.k.a.を持つ者が多い。そしてヒップホップとはビートの上で自分とは何者であるかを定義づける営みでもある。その意味で雪子がラップを通じて自分を発見していく姿こそがヒップホップ的であると言えるだろう。「大統領の娘であってもプレッシャーがかかればヒップホッパーになれる」とかつてヒップホップの教師ことKRS-ONEは言った。雪子が日常や社会のプレッシャーと向き合いビートに乗っかることでa.k.a. の先が見えてくるのだ。
中村映里子/森律子役
懸命に自分を諦めない雪子さんが美しく逞しい。いつだって誰もがみんな唯一無二で輝いている。
その弾む生命の音までもが聞こえてくるようでした。
この映画の繊細で優しい眼差しを感じてください。温かな世界へ連れて行ってくれるような気がします。
著名人コメント
村上浩康(映画監督)
自分をさらけ出せない雪子。自己肯定感の乏しい彼女は、一見満ち足りた生活の中に不安と戸惑いを隠せない。不寛容さばかりが加速していく現代に、この映画は自己表現という一つの解放の道筋を示す。他者を尊重するために、自分を肯定するために、雪子はラップという自己表現を選んだ。では私たちには何があるのか?その答えも映画は鮮やかに示してくれる。エンドロールまで目が離せない。
児玉美月(映画批評家)
ラップバトルとは、即興の言葉のぶつけ合いだという。主人公の雪子は負けるとわかっていても、ひたむきにそんな勝負に挑んでいく。うまく言葉が紡げなくて諦めかけてしまうときも、相手に響かないかもしれないと不安なときも、それでも伝えたい想いが心の中にある限りはずっと戦いはつづく。
雪子の姿に、きっと多くのひとが励まされるに違いない。
小橋めぐみ(俳優/文筆家)
胸に抱えたまま言葉にもできなくなっていた感情と、何度も何度もlinkして、その度に泣いてしまった。
自分に自信がもてなくても。不安なままでも。ほんの少しだけ、前に進むことはできる。進むためのヒントが、いっぱい詰まっていた。めげそうな時は、雪子のラップを思い出すんだyo!
乙一(作家)
本作の主人公はまぎれもなくヒーローである。彼女のような名も無きゴールキーパーは、この社会でさほど目立つことなく、悩みをかかえながら普通に暮らしているのだろう。僕にはこの映画が、彼女のような、誰一人取り残さない名も無きゴールキーパーたちへの応援歌のように聞こえた。彼女は思いを言葉にしてラップバトルを行う。勝つことにはこだわらない。やさしさにあふれた映画である。彼女に救われた少年少女たちは、彼女が強いことを知っている。
韻踏み夫(ライター/批評家)
ダメダメな私に、ヒップホップが甘ったれた許しを与えてくれるなんてことは決してない。この映画の重要な点は、雪子がヒップホップに曖昧に許されるというような、妥協的な解決が取られないということだ。彼女はとことん情けなく敗北するラッパーだ。しかし、厳しく打ちのめされることを通して、彼女の生は「リアル」になる。ヒップホップのリズムは、フェイクを振り落とし、リアルを選別する。そうして生を鍛え上げる。
常川拓也(映画批評家)
『スーパーミキンコリニスタ』に続いて、草場尚也は、理想と現実の狭間でもがく女性のタフネスを丁寧に綴る。彼のヒロインは、たとえバカにされたり、傍目にはイタくても、あるいは結婚など社会から課せられる義務に従わずとも、自分の感情に正直に生きることを模索する。故に、『雪子 a.k.a.』において、ラップは劇中でも参照される『8 Mile』のように成り上がるための武器でも巧拙を競うゲームでもなく、自分探しのツールなのである。尽きることのない日々の不安の中で、ラップが自己受容を可能とする。
リュイス・ヴァレンティ(ジローナ映画祭フェスティバルディレクター)
「Yukiko a.k.a.」は、第36回ジローナ映画祭において、人々の価値観を繊細に描いた点が評価され、特別賞に選ばれました。
この作品は、人の心にとって不可欠な芸術的才能を際立たせている点が素晴らしいです。
金子雅和(映画監督)
現代日本のカルチャーを鮮やかに切り取りながら、草場監督の主人公にはいつも生々しい迷いがある。それは監督の、人や社会に対する正直さ、優しさの現れなのではないかと思う。
占部房子さん演じる教員の一人が、大切なことは「手で書きたい」と言う。ここにこの映画の誠意や良心が凝縮されていて、即興で言葉が生まれるラップシーン同様、「誰ひとり代替することは出来ない」生の尊さが描き出されていく様に、心を強く励まされた。
早雲(We Built This City/ZERO-Gravity)(ラッパー)
MCを名乗ってその世界に身を置く者の視点として、ヒューマンドラマとラップが、どのように物語の中で絡み合っていくのかと、視聴前からそこに興味を惹かれました。
テレビ等のメディアにラップが取り上げられる際、韻の踏み方などの技巧的な側面に焦点が当てられることが多い中で、『雪子 a.k.a.』がラップを以て物語の主軸に置いたのは『本音を伝えること』や『自分自身と向き合うこと』図らずも、僕がリリックを書く時や、言葉を扱う時に、一番重きを置いているところで、物語が進むにしたがって、制作者の方々が僕のことを理解してくれているような感覚を覚え、嬉しくなりました。
視聴後には、冒頭に書いた思いはきれいに消化されて、ラップそのものがMCそれぞれの人間を描くヒューマンドラマなのだ、と腑に落ちました。
主人公の雪子と環境は全く違えど、”教師×ラップ”の”教師”の部分を、各々の今に置き換えれば、一人のMCの半生を映したドキュメンタリーになり得るのだと思います。
そしてこれはMCに限らず、熱中出来る何かを通して自分自身と向き合うきっかけを、視聴者に投げ掛ける作品なのだと感じました。