2024.03.20 07:00
河合優実 ©︎ 2023『あんのこと』製作委員会
2024.03.20 07:00
6月7日(金)より新宿武蔵野館、丸の内TOEI、池袋シネマ・ロサほかで全国公開される河合優実主演映画『あんのこと』の予告篇が解禁された。
2020年6月、新聞に掲載された「ある1人の少女の壮絶な人生を綴った記事」。本作はその1本の記事に着想を得た描いた人間ドラマだ。『SRサイタマノラッパー』や『ビジランテ』などで現代社会の問題にスポットライトを当ててきた入江悠が、この衝撃作の監督・脚本を務めた。
主演の河合優実は、TBSドラマ『不適切にもほどがある!』で今注目の若手俳優。同ドラマでは過激な台詞やオーバーリアクションといったコメディ要素たっぷりのキャラを演じ話題沸騰中だが、本作では機能不全の家庭に生まれ、虐待の末にドラッグに溺れる少女・杏という難しい役どころに挑戦している。さらに『はるヲうるひと』や『さがす』など、日本を代表する個性派俳優・佐藤二朗が杏を救済しようとする刑事・多々羅を、『半世界』『窓辺にて』『正欲』などで主演を務めてきた稲垣吾郎が正義感と友情に揺れるジャーナリスト・桐野を演じた。
解禁された予告篇は、泣き叫ぶ杏を多々羅が優しく抱きかかえるシーンから始まる。「2020年、この日本で起きていた、本当のこと」「衝撃の実話、映画化」という字幕が表すように、本作は実際の事件から着想を得ている。社会から見落とされた少女・杏(河合優実)は売春やドラッグに溺れ、荒んだ生活を送っていたが、ある日人情味あふれる型破りな刑事・多々羅(佐藤二朗)に補導されたことがきっかけで少しずつ更生の道を歩み出していく。
そこに多々羅の友人でジャーナリストの桐野(稲垣吾郎)も加わり、杏は彼らの助けも借りながら新たな仕事や住居を探しはじめる。彼らとの奇跡のような出逢いが、杏を確かに救おうとしていた。しかし、ある日を境に3人はすれ違い、それぞれが救いようのない孤独と不安に直面せざるを得なくなっていく。予告篇は薄暗い街を所在なさげにふらつく杏の姿と、「彼女(あん)はたしかに、あなたの傍にいた」という字幕で締めくくられる。誰もが孤独と不安に苛まれた2020年、日本中の誰もが体験したあの不安定な日常を本作は正面から映し出している。