2023.11.02 07:00
『テラヤマキャバレー』新ビジュアル(アートディレクター:吉田ユニ)
2023.11.02 07:00
2024年2月に東京・日生劇場、2024年3月に大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演される香取慎吾主演舞台『テラヤマキャバレー』の新ビジュアルとストーリーが解禁された。
主演の香取慎吾は寺山修司役に初挑戦。そして寺山修司をリスペクトし、寺山に刺激を受け、斬新な切り口で脚本を書き下ろした池田亮。さらにウエストエンド、ブロードウェイ、日本とさまざまな国で活躍してきたデヴィッド・ルヴォーを演出に迎え、虚実に満ちた寺山のパワフルな世界が立ち上がる。
本作の舞台は生と死が交錯するキャバレー。1983年5月3日(火)、寺山修司はまもなくその生涯を終えようとしていた。寺山の脳内では、彼を慕う劇団員がキャバレーに集まっている。寺山が戯曲『手紙』のリハーサルを劇団員と始めたところへ、死が彼のもとにやってきた。死ぬのはまだ早いと、リハーサルを続けようとする寺山。死は彼に日が昇るまでの時間と、過去や未来へと自由に飛べるマッチ3本を与える。その代わりに感動する芝居を見せてくれ、と。
寺山は戯曲を書き続けるが、行き詰まってしまう。そこで、死はマッチを擦るようにすすめた。1本目、飛んだのは過去。近松門左衛門による人形浄瑠璃「曽根崎心中」の稽古場だ。近松の創作を目の当たりにしたことで、寺山の記憶が掻き立てられる。2本目は近未来、2024年のバレンタインデーの歌舞伎町へ。ことばを失くした家出女や黒蝶服、エセ寺山らがたむろするこの界隈。乱闘が始まり、その騒ぎはキャバレーにまで伝播。よりけたたましく、激しく肉体がぶつかり合う。
寺山は知っている。今書いている戯曲が、死を感動させられそうもない、そして自身も満足できないことを。いまわの時まで残りわずか。寺山は書き続けた原稿を捨て、最後のリハーサルへと向かう。
没後40年を迎え、その稀有な才能に再び注目が集まる寺山修司。もし寺山が今生きていたら、何を思い、何を表現したのか。寺山の詞による多くの昭和の名曲を織り交ぜた、これまでにない驚きの音楽劇が届けられる。