2023.09.07 20:00
出典:https://www.gottahaverockandroll.com/
2023.09.07 20:00
ビートルズ、クリフ・リチャード、ピンク・フロイド、シャドウズなどが録音を行った“世界で最も有名なスタジオ”であるアビー・ロード・スタジオ。そんな伝説的なスタジオで数々の名作のレコーディングで使用されたラウドスピーカーとアンプがオークションに出品された。
今回出品されたのは、ビートルズやピンク・フロイド作品で使用されていたラウドスピーカーとアンプ。アビー・ロード・スタジオでレコーディングされたビートルズの『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』『The White Album』『Abbey Road』だけではなく、今年でリリース50周年を迎えたピンク・フロイドの『狂気 (The Dark Side of the Moon)』でも使用された。
こちらのスピーカーは1962年に製造され、1972年までアビー・ロード・スタジオにて使用されていた。その後、アビー・ロード・スタジオのチーフエンジニアと知り合いだったNicholas Buttという人物がアップカミングなバンドMount Lofty Rangersのレコーディングで使用するために購入し、スピーカーはオーストラリアに輸送され、アデレードのSunflower StudiosとバイロンベイのMusic Farmで1977年まで使用されていた。複数のスタジオで使用された後、オーストラリアのアーティストVytas Serelisの自宅で保管されていたようだ。
同スピーカーは、当時のビートルズの写真の多くに写っており、「Gotta Have Rock and Roll」のオークションページでもそれらの写真を見ることができる。デヴィッド・クロスビーは1967年にアビー・ロード・スタジオを訪れたときにこのスピーカーの音に驚いたとも明かしていた。
「自分の人生で最も素晴らしかった瞬間は、ビートルズの“Sgt. Pepper”の制作中に彼らのスタジオを訪れたときだ。彼らはスタジオの真ん中に私を座らせて、180cmぐらいのスピーカーを左右に置いたんだ。そして笑いながら階段を上ってコントロールルームに戻ったと思ったら、“A Day in the Life”を再生始めたんだ。最後のコードが終わった瞬間、鼻から脳みそが出てきて、床に水溜りを作ったような感覚になったよ。どうすればいいのかわからなかったし、呆然としていた」
スピーカーには当時のオリジナルタグが付いており、「E.M.I. LTD LOUDSPEAKER & AMPLIFIER TYPE RLS IO NO 167 MADE IN ENGLAND」と記載されている。また、何度か修理やリペイントが行われており、スピーカー下部についている車輪も付け替えられているようだ。最低入札金額は10万ドル(約1,474万円)となっており、最終的に5,000万円を超えることが予想されている。