ミア・ゴス演じるパールの七変化を捉える
スコセッシ監督が絶賛、A24製作『Pearl パール』シリアルキラーの狂気感じる場面写真解禁
2023.06.17 10:00
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2023.06.17 10:00
7月7日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開されるスタジオA24製作映画『Pearl パール』の場面写真が公開された。
本作は同スタジオ製作映画『X エックス』の前日譚として、最高齢のシリアルキラー・パールの若かりし頃を描く。スクリーンの中で踊る華やかなスターに憧れ、厳しい母親と病気の父親と人里離れた農場に暮らすパール。繰り返しの毎日に鬱屈としながらも家畜たちを相手にミュージカルショーの真似事を行うのが束の間の幸せだった。そんな中、地方を巡回するショーのオーディションがあることを聞きつけたパールは、オーディションへの参加を強く望むが、母親にいさめられてしまう。やがて抑圧されてきたパールの狂気は暴発し、比類なき無邪気さと残酷さをあわせもつシリアルキラーへと変貌していく。
巨匠マーティン・スコセッシ監督は本作に対して「タイ・ウエスト監督の映画には、最近では珍しく、映画への純粋で混じりっ気のない愛に満ちたエネルギーがある。すべてのフレームでそれが感じられる。ワイルドで、魅惑的で、深く心を揺さぶる102分間。タイ・ウエストと、彼のミューズでありクリエイティブ・パートナーであるミア・ゴスは、観客をもてあそぶ術を本当に心得ている」と大絶賛している。
ゴスが演じた本作の主人公「パール」は、無垢な愛らしさと切なさを兼ね備え、それが一転すると、夢を掴み取るために は何も厭わない……という無慈悲さや残酷さなど、あらゆる感情が複雑に絡み合う繊細なキャラクター。全米公開時には「女性版ジョーカー」(Texas Monthly)と評されていたほど。
解禁されたシーンカットは、ゴスが怪演したシリアルキラー・パールから溢れ出す“感情7変化”を切りとったもの。些細な出来事に感情が沸点に達し、怒りに我を忘れるパール。人生を賭けたダンスオーディションで全力の笑顔を披露するパール。斧を持って獲物に一点集中するパール。自分をひとり残して戦争へ出征した夫への怒りを目の前の卵にぶつけ、殺意が覚醒する寸前のパール。そのほか「世界が私に注目する」という将来の夢を家畜に語り、夢見心地のパールや、自分を認めてくれる素敵な男性に初めて出会って照れるパール。お気に入りのドレスをこっそり着ていたことで、母に怒られ中のしゅんとしたパールなどが捉えられている。
パールを演じ、ウエスト監督とともに脚本も担当したゴスは「パールは夢想家で、それが彼女のいいところだったけど、そのせいで破滅することになる。彼女をクレイジーとか、躁状態と呼ぶ人もいるかもし れないけど、この作品で描かれるパンデミック(スペイン風邪)や第一次世界大戦中という時代設定、そして気難しい母と体が不自由な父という八方塞がりの状況に置かれながら、必死に自分の人生を生きようとしている。彼女が行動する原動力は、ステージに立ってスターになりたいという強い気持ちだけなの」とパールの心情を読み解いた。そしてウェスト監督は「ミアなしじゃこの作品は作れないと思っていた。当時のミアは、まさしくパールだった。映画を完成させるためには、僕ら2人が全力で打ち込む必要があったんだ」と語った。