©「渇水」製作委員会
2023.06.02 08:00
6月2日(金)より全国公開される生田斗真主演映画『渇水』から本編映像が公開された。
原作は1990年に第70回文學界新人賞受賞、第103回芥川賞候補となり注目を浴びた河林満による同名小説。生の哀しみを鮮烈に描いた名篇が、『孤狼の血』シリーズ(2018年、2021年)などで知られる白石和彌監督初のプロデュースにより刊行から30年の時を経て映画化された。
本作で監督を務めるのは、相米慎二、市川準、阪本順治、森田芳光、宮藤官九郎ら錚々たる監督作品で助監督としてキャリアを重ねた髙橋正弥。水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回る業務に就く水道局員の主人公・岩切俊作を生田が演じ、心の渇きにもがきながらも“生の希望”を取り戻していく役どころを体現した。さらに門脇麦、磯村勇斗、尾野真千子ら実力派俳優が脇を固める。
解禁された本編映像は、生田演じる主人公・岩切と、磯村勇斗演じる木田拓次の二人が、水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回るワンシーン。「街中カラッカラだっていうのに、その上水道を閉めちゃうなんて、俺ら悪者というか弱い者いじめというか」と仕事の不満を口にする木田。2年目にもかかわらず仕事に慣れない木田に「俺だって好きでやってるわけじゃない。けど、嫌いでもない」と、どこか人生を諦めたような一言を発する岩切。さらに木田は、太陽も空気も無料であることから、「水だって本当はタダでいいんじゃないんですかね?」と、核心をつく一言を発する。そんな木田の一言も軽くあしらうように見えた岩切だったが……。
先日行われた完成披露イベントでも磯村が印象的だったシーンと話したように、停水という一種の残酷性をもった仕事をする岩切と木田だが、そんなふたりの“水”に対する考えや仕事観がこのシーンで明らかになる。