Bezzy[ベジー]|アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

NEWS

原作者の松浦寿輝とキャストからコメントも到着

芥川賞受賞作『花腐し』が綾野剛×荒井晴彦で映画化 共演に柄本佑、さとうほなみ

2023.04.17 05:00

©2023「花腐し」製作委員会

2023.04.17 05:00

全ての画像・動画を見る(全4点)

荒井晴彦監督が主演に綾野剛、共演に柄本佑、さとうほなみを迎えた映画『花腐し』の全国公開が2023年初冬に決定し、ティザービジュアルと場面写真が公開された。

原作は芥川賞を受賞した同名小説。廃れていくピンク映画業界で生きる映画監督・栩谷(綾野剛)と脚本家志望だった男・伊関(柄本佑)、そしてふたりが愛したひとりの女優・祥子(さとうほなみ)。梅雨のある日に出会った栩谷と伊関は、自分たちの愛した女について語り始める。そして、三人がしがみついてきた映画への夢がボロボロと崩れ始める中、それぞれの人生が交錯していく──。

『赫い髪の女』(1979年)、『キャバレー日記』(1982年)など日活ロマンポルノの名作から、『ヴァイブレータ』(2003年)、『共喰い』(2013年)をはじめとする日本映画の脚本を数多く手がけてきた荒井晴彦が、『火口のふたり』(2019年)に続く自身4作目の監督作品として選んだ本作。主人公・栩谷に綾野、共演にそれぞれ柄本、さとうを迎え、ふたりの男とひとりの女が織りなす湿度の高い男女の物語が完成した。

発表されたキャストと荒井監督、原作者の松浦寿輝からコメントも到着している。

綾野剛(栩谷役)コメント
初めて映画を観た時の事を思い出した。なんだか銀幕の中はひどく残酷で、こちらがそれを安全圏から覗いているとわかりながらも淡々と物語は進んでいく。その当時は、感情を掴み取ることも、感情を移入することもなく、ただただ傍観していた。しかし、観終わってみれば、独特な達成感というか、やり切った感が身体をほとばしり、それまで経験したことのない感情が湧き立ったものでした。
現在、世の中には沢山の作品が生まれ、沢山の感情をシェアする環境が備り、毎日が選択の連続を生きる中で、この映画は何者なのだろうと考える。私にとって花腐しは“映画そのもの”でした。産まれる前から映像作品に携わってこられた映画人に魅せられ支えられ、ただただ映画の額面にようやく触れられた想いでした。本作を皆様の映画鑑賞アルバムの1ページに添えて頂けたら幸いです。

柄本佑(伊関役)コメント
去年の何月でしたか、荒井監督から電話があり「佑にホンを送ったんだけど読んだ?田辺が返事がないんだよなって言っててさぁ……」と連絡をいただきました。そんな前置きがありホンを読んだ僕は「おっほっほっ、おもしレェー」と呟きました。『火口のふたり』に続き荒井監督に呼んでいただいた喜びに加えて、とにかくホンが滅法面白い!!いち映画ファンとしてやらなくてはいけない仕事でした。

さとうほなみ(祥子役)コメント
脚本を頂いたとき、ピンク映画業界に纏わるお話であったりそこを取り巻く人々の関係性であったり、荒井監督が実際に見てきた景色がぎっしり詰まっているんだろうなと感じました。ですが、映像化の想像があまり出来なかった中でもすでにこの作品に強く惹かれておりました。祥子という人物の日常を生きているのは、とてもつらくとても幸せでした。是非ご覧いただきたいと、心より思います。

荒井晴彦(監督)コメント
廣木隆一と竹中直人が「花腐し」をやりたがっていると聞いていた。2004年の湯布院映画祭で『ラマン』で来ていた廣木に、『サヨナラ COLOR』で来ていた竹中が、『花腐し』撮りたいんですよ、でも廣木さんが撮るなら、役者で出してくださいよ、と言っていた。帰って読んでみた。難しいな、あの二人、どんな映画にするつもりだったんだろうと思った。「花腐し」は廣木でも竹中でも映画化されなかった。昔の師匠足立正生にちゃんとした映画を撮らせたかった。足立さんなら「花腐し」をシュールな『雨月物語』にできるかもしれない。原作者の松浦寿輝さんは、映画大学の同僚土田環の東大大学院の指導教授だった。2013年5月、土田に頼んで松浦さんと足立さんの対面をセッティングしてもらう。しかし、足立さんの書いてきたプロットは原作の要約で、こりゃダメだと思った。余計なお世話だった。
やはり何年も撮れていない斎藤久志でいこうと思った。その年の10月、中野太が初稿を書いた。斎藤は、中野の『新宿乱れ街』だねと言った。しかし、金が集まらなかった。『火口のふたり』の公開が終わって、体力があるうちにまた撮りたいなと思った。『この国の空』の時のようなストレスが無かったのだ。「花腐し」を撮ろうと思った。榎望プロデューサーから紹介されたばかりの佐藤現プロデューサーにホンを送った。2019 年10月だ。佐藤さんはやりましょうと言ってくれた。『火口のふたり』はキネ旬ベストワンになったが、コロナでパーティもできなかった。濃厚接触シーンが多い『花腐し』がクランクインできたのは2022年の10月2日だった。『火口のふたり』は安藤尋に撮らせるつもりだった。『花腐し』も自分で撮るつもりで書いたホンじゃない。2匹目のドジョウがいてくれるといいけれど。

松浦寿輝(原作)コメント
黒々としたトンネル。
小説「花腐し」が、荒井晴彦の手と眼と感性によって、原作をはるかに越えた荒々しいリリシズムが漲る映画「花腐し」へと転生する。ただただ、唖然とするほかはない。降りしきる雨のなか、廃屋めいたアパートへ帰ってきた男二人が、玄関前の路上でへたりこむシーンのデスペレートな徒労感に、やるせない共感の吐息を洩らしつつ、時代も国も個人も、これから黒々とした終焉のトンネルへ入ってゆくのだと密かに思う。

全ての画像・動画を見る(全4点)

作品情報

花腐し

©2023「花腐し」製作委員会

©2023「花腐し」製作委員会

花腐し

2023年11月10日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開
原作:松浦寿輝『花腐し』(講談社文庫)
配給:東映ビデオ R18+
Twitter:@Hanakutashi1110

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

出演::綾野 剛 柄本 佑 さとうほなみ
吉岡睦雄、川瀬陽太、MINAMO、Nia、マキタスポーツ、⼭崎ハコ、⾚座美代⼦/奥⽥瑛⼆
監督:荒井晴彦
脚本:荒井晴彦、中野太
製作:東映ビデオ、バップ、アークエンタテインメント
制作プロダクション:アークエンタテインメント

1982年生まれ、岐阜県出身。『横道世之介』『夏の終り』(13)で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。以降、『そこのみにて光輝く』(14)『リップヴァンウィンクルの花嫁』(16)『64 -ロクヨン-』(16)『日本で一番悪い奴ら』(16)『怒り』(16)『ヤクザと家族 The Family』(21)ほか多数の映画・ドラマに出演。直近の主な出演作に映画『花腐し』(23)『カラオケ行こ!』(24)、Netflixシリーズ「幽☆遊☆白書」がある。Netflixシリーズ「地面師たち」が7月25日に配信開始。映画『ラストマイル』が8月23日に公開予定。

RANKINGランキング

RELATED TOPICS関連記事

  • 筒井真理子、光石研、磯村勇斗らの場面写真も7点公開 荻上直子監督最新作『波紋』より、全員ヤバい本編映像初解禁

    2023.04.15 17:00

    5月26日(金)より公開される荻上直子監督の最新作『波紋』から本編映像と場面写真が公開された。 本作は荻上直⼦監督のオリジナル最新作にして、監督⾃⾝が歴代最⾼の脚本と⾃負する絶望エンタテインメント。主演に筒井真理子を迎え、光石研、磯村勇斗、柄本明、キムラ緑子、木野花、安藤玉恵、江口のりこ、平岩紙が出演する。 須藤依子(筒井真理子)は“緑命会”という新興宗教を信仰し、日々祈りと勉強会に勤しみながら、ひとり穏やかに暮らしていた。ある日、長いこと失踪したままだった夫・修(光石研)が突然帰ってくるまでは──。自分の父の介護を押し付けたまま失踪し、その上がん治療に必要な高額の費用を助けて欲しいとすがって<a href="https://bezzy.jp/2023/04/23729/">…

    #光石研#波紋#磯村勇斗#筒井真理子#荻上直子

  • “追いスワン”する人が続出した話題作 草彅剛主演映画『ミッドナイトスワン』5月2日よりNetflixにて配信

    2023.04.15 00:00

    草彅剛主演映画『ミッドナイトスワン』が、5月2日(火)よりNetflixにて配信されることが決定した。 本作は、トランスジェンダーとして日々心身の葛藤を抱え新宿で生きる凪沙(草彅剛)と、親から愛を注がれず生きるもバレエダンサーを夢見る少女・一果(服部樹咲)の愛の物語。「何度もミッドナイトスワンを見に行く」という意味を表す“追いスワン”という言葉も生まれた本作は、2020年9月25日(金)に公開されて以来、未だに一部劇場で上映されるなど異例のロングラン上映となった。 SNSなどでも多くの反響を呼び、第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。主演の草彅は、ブルーリボン賞主演男優賞、日本アカデミー<a href="https://bezzy.jp/2023/04/23708/">…

    #ミッドナイトスワン#内田英治#草彅剛

  • 菅田将暉との約3年ぶりの共演について語る 『銀河鉄道の父』森七菜の魅力と存在感あふれる場面写真が公開

    2023.04.14 15:00

    5月5日(金・祝)より全国公開される映画『銀河鉄道の父』から場面写真が公開された。 本作は宮沢賢治が「ダメ息子だった」という大胆な視点から、歴史のスポットライトの陰にいた賢治の家族への丹念なリサーチを実らせ、第158回直木賞を受賞した傑作小説の映画化。父・政次郎を役所広司、長男・賢治を菅田将暉が演じることでも話題の本作で、妹・トシを演じたのは森七菜。ドラマ『3年A組ー今から皆さんは、人質です』や映画『ラストレター』で注目を浴び、Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』では“まかない飯”を作る少女・キヨ役が話題に。本作では女子には勉学は必要ないと言われることが多かった時代に、父親を説得<a href="https://bezzy.jp/2023/04/23669/">…

    #役所広司#森七菜#菅田将暉#銀河鉄道の父

  • 門脇麦と対峙するシーンなど全7点 生田斗真主演映画『渇水』厳しい現実を⽣きる登場⼈物たちを写した場面写真公開

    2023.04.13 06:00

    6月2日(金)より全国公開される生田斗真主演映画『渇水』から、場面写真が公開された。 1990年に第70回文學界新人賞受賞、第103回芥川賞候補となり注目を浴びた河林満による同名小説を原作としている本作。生の哀しみを鮮烈に描いた名篇が、『孤狼の血』シリーズ(2018年、2021年)などで知られる白石和彌監督初のプロデュースにより刊行から30年の時を経て映画化された。 本作で監督を務めるのは、相米慎二、市川準、阪本順治、森田芳光、宮藤官九郎ら錚々たる監督作品で助監督としてキャリアを重ねた髙橋正弥。主人公の水道局員・岩切俊作を『湯道』(2023年)や大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022年)など多<a href="https://bezzy.jp/2023/04/23490/">…

    #尾野真千子#渇水#生田斗真#磯村勇斗#門脇麦#髙橋正弥

  • キャストと福永壮志監督からコメントが到着 山田杏奈、森山未來、永瀬正敏ら出演映画『山女』6月30日公開決定

    2023.04.12 12:00

    福永壮志監督の最新作『山女』が6月30日(金)より全国順次公開されることが決定し、山田杏奈、森山未來、永瀬正敏、福永監督のコメントが公開された。 第35回東京国際映画祭コンペティション部門への出品で話題を呼んだ本作は、柳田國男の名著『遠野物語』から着想を得たオリジナルストーリー。大飢饉に襲われた18世紀後半の東北の村で先代の罪を負った家の娘・凛は、人々から蔑まされながらも逞しく生きていたが、飢えに耐えかねた父の伊兵衛がある日盗みを働いてしまう。父の罪を被った凛は自ら村を去り、禁じられた山奥へと足を踏み入れる。そこで伝説の存在として恐れられる“山男”と出会う。 監督・脚本を務める福永壮志は『リベ<a href="https://bezzy.jp/2023/04/23432/">…

    #山女#山田杏奈#森山未來#永瀬正敏#福永壮志

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram

COLUMN & SPECIAL連載&特集

ALL SERIES

RANKINGランキング

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram