音楽はオスカー受賞歴のあるハンス・ジマーが担当
グザヴィエ・ドランが初めて手掛けるTVドラマ『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』予告解禁
2023.02.01 19:00
© Fred Gervais
2023.02.01 19:00
Amazon Prime Video内「スターチャンネルEX」にて2月24日(金)より日本で初配信され、3月6日(月)からは「BS10 スターチャンネル」でも放送されるTVドラマ『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』(全5話)の予告編と新場面写真が公開された。
本作は、話題作を発表し続けてきたグザヴィエ・ドランのTVドラマ初挑戦作。ドランは19歳で発表した長編デビュー作『マイ・マザー』がカンヌ国際映画祭監督週間で上映されて以来、2014年に『Mommy/マミー』で審査員賞、2016年には『たかが世界の終わり』でグランプリを受賞するなど同映画祭から高い評価を受けていることから“カンヌの申し子”の異名を持つ監督として知られている。
ケベック州の郊外を舞台に、30年前に起きた事件に時を超えてかき乱される家族の姿を、過去と現在を行き来しながら緊迫感たっぷりに描く本作。メインとなるのはそれぞれが問題を抱える4人の兄妹とその家族で、ラストの15分まで展開が全く読めない究極のサスペンスとなっている。その一方で、ドランが今まで描き続けてきた家族の物語でもあり、キャラクターたちが事件に、お互いに、そして自分自身に向き合う姿を緻密な構成で映し出している。ホラーやスリラーといったジャンル映画の質感も持ちながら、家族を描いたヒューマンドラマでもあるという、ドランにしか描けない新たな世界感が生み出された。
ドランは本作について、「自身の200%をかけた」と語り、ドランの作家性を凝縮したような濃密な5時間に仕上がっている。「家族」などこれまでも語られてきたテーマはもちろん、空想と現実が突如として切り替わる独特の演出や、細部にまでこだわった美術や衣装など、ファンにとっては様々な過去作を彷彿とさせるたまらない要素が詰まっている。音楽は『DUNE/デューン 砂の惑星』でアカデミー作曲賞を受賞した巨匠ハンス・ジマーが担当。彼と共に同作の音楽を担当したデヴィッド・フレミングと再びタッグを組み、美しいオリジナルスコアで物語にひりひりするような緊迫感を与えている。実は、当初予定していた音楽家が降板し困っていたところを、自身と同じくケベック州出身のドゥニ・ヴィルヌーヴの紹介でジマーの連絡先を教えてもらったというドラン。忙しいから無理だろうと「ダメ元」での電話をしたというが、なんとジマーは快諾。カナダ出身の天才監督同士の絆が新たな可能性を切り開くこととなった。もちろんドランの作品らしく印象的に様々な曲が使われる演出は健在で、カナダ出身のセリーヌ・ディオンのほか、オアシスやルーファス・ウェインライトなど人気ミュージシャンによる楽曲が登場する。
公開された予告映像はラルーシュ家の末っ子エリオット(グザヴィエ・ドラン)のセラピーでの対話シーンから始まり、 「今朝の気分は?」と聞かれすかさず顔を逸らし遠い目をするエリオットの様子から、どこからともなく物語の不穏さを匂わせている。過去・現在もなお抱える家族のトラウマ、苦悩がまるでフラッシュバックのように切り取られるシーン。一家の受け入れがたい過去とは、ロリエ・ゴドローとは誰なのか、“あの夜”に一体なにがあったのか。シリアスな音楽が物語の不穏さと緊迫感に拍車をかけ、サスペンスフルでありながらドラン特有の映像美が目に焼き付く、鮮烈な予告編となっている。