ヒップホップで社会を生き抜く! 第11回
2022年のベストヒップホップアルバム10選!今年リリースされたおすすめヒップホップを紹介
2022.12.30 17:30
2022.12.30 17:30
5位 フレディ・ギブス『$oul $old $eparately』
マッドリブとリリースしたコラボアルバム『Piñata』と『Bandana』が非常に高い評価を受け、アルケミストとのコラボアルバム『Alfredo』が第63回グラミー賞で最優秀ラップ・アルバムにノミネートされたフレディ・ギブス。そんな彼の5thアルバム『$oul $old $eparately』からは、長年インディペンデントに活動してきた彼がヒップホップ業界において欠かせない存在になるまでの道のりが伝わってくる。
4位 プシャ・T『It’s Almost Dry』
バージニア州出身のラッパーであり、カニエ・ウェストが創設したレーベル〈GOOD Music〉の代表としても知られていたプシャ・T。ファレル・ウィリアムスやカニエ・ウェストをプロデューサーに迎えた『It’s Almost Dry』は2023年グラミー賞の最優秀ラップアルバム賞にノミネートされている。先日、彼が〈GOOD Music〉の代表を降りたと報じられていた。
3位 ナズ『King’s Disease III』
ヒップホップファンであれば誰もがリリシズムに圧倒されたことがあるであろうレジェンド、ナズの最新アルバム。Hit-Boyがプロデュースする『King’s Disease』シリーズの3作目であり、ベテランとしての経験が存分に語られている素晴らしいアルバムとなっている。
2位 ケンドリック・ラマー『Mr. Morale & the Big Steppers』
ラッパーとして初のピューリッツァー賞を受賞し、最も偉大なラッパーの一人として知られているケンドリック・ラマーの待望の5thアルバム。キャリアスタートから所属していた〈TOP DAWG ENTERTAINMENT〉での最後のアルバム。黒人コミュニティにおける世代を超えたトラウマ、母親が経験した性的暴行や、自身の不貞や依存についても明かしており、『To Pimp A Butterfly』や『DAMN.』に続きケンドリック・ラマーの自己と社会を表現した詩を聴くことができる。
1位 JID『Forever Story』
今ではヒップホップ業界に欠かせない最高峰のラッパー、J. コールに才能を見出され、2017年に彼の〈Dreamville Records〉と契約した凄腕ラッパーJID。2021年にはネットフリックス『Arcane』の主題歌としてメガヒットとなったイマジン・ドラゴンズの「Enemy」にも参加し、メインストリームにも彼の名は爆発的に広がった。『The Forever Story』では、自身のルーツである家族、そして現代のアメリカにおけるブラック・エクスペリエンスが語られている。自分のレガシーが「永遠」に確立され、さらに家族に残せるものを提供したいという意味で名付けられたアルバムであるが、誰もが認めるリリシズム、そして音楽的な教養とクリエイティビティを感じる多彩なフロウで今年最も刺さったヒップホップアルバムとなった。
Honorable Mentions (ランクに入らなかった良作)
トップ10には入らなかったが、ヒップホップファンにオススメしたいアルバムは以下の通り。
デンゼル・カリー『Melt My Eyez See Your Future』
フューチャー『I NEVER LIKED YOU』
Danger Mouse & Black Thought「Cheat Codes」
アール・スウェットシャツ『Sick!』
ヴィンス・ステイプルズ『Ramona Park Broke My Heart』
ブロックハンプトン『Family』
Vinnie Paz『Tortured in the Name of God’s Unconditional Love』