2022.11.20 12:00
仮免取れた。結果から言うスタイルです。それ以上でもそれ以下でもない文章を書き進めようとしています。前回の、試験連続3回落ち地獄からやっとの思いで抜けたのである。よく晴れた日だったと思う。すっかり小慣れた足並みで、試験会場へと向かう。慣れている。当たり前だ。なぜなら3回も落ちているから。もうもはや、落ちることにも慣れている。当たり前だ。なぜなら3回も落ちているからね。今日も落ちに行くくらいの気持ちで受けに行く。そのくらいの気持ちでいますよーの顔で受けに行く。聞き慣れた試験説明。お決まりなのか今付け足して言ったような口振りで今日も付け足される先生の補足が一言一句毎回同じだ。分かり易い説明。親切な案内。私だけ4回目である。もしかして、もしかすると同じだけ受けているそして落ちている人もいるのかも知れない。いるのかも知れないが、未だ一度だって、あっ、この前もいましたよねっ、あっ、のアイコンタクトをしたことがない。1人とも。していない。何故。でも無敵だ。私は最強だ。4回もこの待合室に来ているのだから。みんなとの緊張度合いだって違うことだろう。リラックスして、待っている。その時を。黄色い紙をまた貰うのか、青い紙を頂けるのか。あと2時間もすれば分かることだろう。そんでもって出番が来た。正直あんまり覚えていない。無敵だと言っておきながら、試験中は緊張した。当たり前だ。試験なのだから。しっかり確認。落ち着いて確認。右よし、左よし、私よし。うん、大丈夫。しっかりしっかり。そうして、試験が終わった。
「松永さんね、うん、合格。」
助手席の窓が開いて、青い紙を受け取った。「やったー!」と両手を上げて小躍りしてしまった。リアルに小躍りしてしまった。人って本当に喜んだ時には、小躍りというものが自然に発生するということが分かった。ありがとう、先生、私、本免へのマイロード真っ直ぐ進むね。キラキラと輝きだしたこの道を私やっとの思いで少し前へと進んだんだね。
「松永さん、踊ってるけどまだこれ仮免だからね。本免取得、頑張って下さいね。」
先生に言われた。ゆっくりと助手席の窓が閉まる。右へ方向転換。小さなスキップで待合室へと戻る。マスクの下の顔は微笑んでいる。
まだまだ免許取得までの道のりは遠い。ここから、本免学科試験。本免技能試験。取得時講習。特定講習。色々ある。それでも、進む。前へ、前へと。
免許ヨ、待ってておくレ!絶対取ってやるから、ナ!