2022.11.10 04:00
2022.11.10 04:00
三谷幸喜による二人芝居『笑の大学』が、2023年2月8日(水)よりPARCO劇場にて上演されることが決定。東京を皮切りに、3月4月と新潟、長野、大阪、福岡、宮城、兵庫、沖縄と巡演することが発表された。
同作はファンの中でも特に人気の高い作品であるにも関わらず、1998年以来1度も日本で公演が行われてこなかった舞台。来年2023年にPARCO劇場が50周年を迎えるにあたり開催されるPARCO劇場開場50周年記念シリーズとして、四半世紀ぶりに蘇る。
1994年よりほぼ毎年PARCO劇場をホームグラウンドに数々の名作を発表してきた三谷幸喜。40周年記念公演では『ホロヴィッツとの対話』『国民の映画』、2020年リニューアルオープン時の記念シリーズでは、三谷文楽『其礼成心中』、PARCO MUSIC STAGE『三谷幸喜のショーガール』、『大地(Social Distancing Version)』などを上演し、PARCO劇場の節目を飾ってきた。
1996年にパルコ・プロデュース公演として青山円形劇場で初演された『笑の大学』は、第2回読売演劇大賞で「最優秀作品賞」を受賞し、その後1998年にPARCO劇場にてアンコール公演が行われ、東京・札幌・大阪・福岡の4都市56ステージを巡演。ロシア語、韓国語、中国語、フランス語にも翻訳され、海外で上演され続けている不朽の名作が三谷幸喜自身の演出で上演される。
物語の時代設定は、戦争色が濃厚になる昭和15年。登場人物は、警視庁検閲係・向坂睦男(さきさかむつお)と劇団「笑の大学」座付作家・椿一(つばきはじめ)。非常時に喜劇など断じて許さないとする向坂は上演中止に追い込もうと執拗なまでの注文を繰り返す。しかしなんとか上演許可をもらいたい椿は、向坂が要求する無理難題を逆手に取りながら、あくまで真正面からの書き直しに挑戦する。警視庁の取調室を舞台に、相対する男二人のドラマが始まる……。
検閲官・向坂睦男役にはドラマ『JIN-仁-』『きのう何食べた?』、NHK大河ドラマ『真田丸』(作:三谷幸喜)、舞台『おのれナポレオン』(作・演出:三谷幸喜)、『M バタフライ』など多数の作品に出演し2021年には紫綬褒章を受章した俳優・内野聖陽。劇団『笑の大学』の座付作家・椿一役はドラマ『透明なゆりかご』、映画『コンフィデンスマン JP -英雄編-』『愛なのに』、ミュージカル『日本の歴史』(作・演出:三谷幸喜)、舞台『世界は笑う』、現在ドラマ『霊媒探偵・城塚翡翠』、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(作:三谷幸喜)に出演中の瀬戸康史が演じる。
三谷幸喜 コメント
「笑の大学」は大好きな作品。だからこそ、託したい俳優さんに出会うまで再演はしないと決めていました。内野さんの「向坂」が見たいと思った時から、今回のプロジェクトは始まりました。そして瀬戸さんは今の僕が最も頼りにしている俳優さんの一人。この二人で「笑の大学」を上演できるというのは、僕にとって最高の喜びです。
今まで待った甲斐がありました。今回初めて観る方も、以前ご覧になった方も、新しく生まれ変わる「笑の大学」にきっと満足して頂けると思っています。この作品でPARCO劇場開場50周年記念シリーズに参加できることを、僕はとても嬉しく思っています。なんと言ってもこの劇場は、自分を育ててくれた大切な場所ですから。
内野聖陽 コメント
25年前の、脚本家三谷さんの素晴らしい戯曲と、25年後の、演出家三谷さんとのお仕事なんて、一度に2度美味しい思いができる、こんな素晴らしく贅沢なことはありません。
ボクがこの本で素敵だなって感じることがいっぱいあって、顔の筋肉が緩んでしまう瞬間もたくさんあって、声を出して笑ってしまうところもたくさんあって、涙腺が緩んでしまうときもあって、そんな素敵なものを、いっぱいいっぱい舞台の上に花開かせたいと思っています。気鋭の若手、瀬戸康史くんとのセッションもとても楽しみです。みなさんどうぞご期待して待っていてください。
お稽古励みます!
瀬戸康史 コメント
まず、舞台版と映画版を観た時に、演じる人物によってこんなに印象が違うのだと驚いたのを覚えています。それは、登場人物がほぼほぼ二人しかいないからでしょう。その二人の俳優が持つ性質が空間を支配して、ダイレクトに観客に伝わる感じ。でも、それが気持ちの悪い生々しさではなく、どこかクセになる生々しさなんですよね。ずっとこの二人の掛け合いを見ていたいと思わせる三谷幸喜さんの力…とんでもないです。内野さんとは今回初共演で、まだまだ謎だらけです。なので今は、優しい人かな?怖い人だったらどうしよう。と、まるで検閲官にどきどきしながら対峙する作家のような気持ちです(笑)
二人芝居も初めてなので、とにかく新鮮さを大切に、相手からのエネルギーをいくらでも受け取れる心の余裕を持って、楽しんで演じられればと思います。