2022.10.31 10:00
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2022.10.31 10:00
11月25日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館他にて公開予定の映画『ビー・ジーズ 栄光の軌跡』から場面写真が公開された。
本作は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などのプロデューサーであるフランク・マーシャル監督が、半世紀以上にも渡って音楽業界をサバイブしてきた「ビー・ジーズ」の軌跡を描くドキュメンタリー映画。ビー・ジーズは英国マン島に生まれたバリー・ギブと3歳下のふたごの弟たちロビンとモーリスのギブ3兄弟によるグループで、少年時代から活動を開始し、2003年にモーリス・ギブが早世するまで半世紀を超えるキャリアを築いた。全世界でアルバム2億2千万枚超を売り上げ、書いた曲は1,100曲以上、そのうち全英・米ナンバーワン・ヒットが20曲、トップ10ヒットが70曲という業績を誇り、ジャンルと時代を超えて文化に多大な影響を与えたバンド/パフォーマー、ソングライターだ。代表曲「ステイン・アライヴ」で歌われている通り、時代の変遷を生き延び、人の心に触れて、人生のサウンドトラックとなる数々の名曲を生み出し続けた。この映画は貴重な写真や未公開のムービーを駆使して名曲誕生の瞬間を体験できる臨場感あふれる構成となっている。
幼少期に移住したオーストラリアで活動を開始したビー・ジーズは、1967年に帰英、ザ・ビートルズのマネージャー、ブライアン・エスプタインの元にいたロバート・スティグウッドのマネージメントを得てイギリスでブレイク。ギタリスト&ドラマーによる5人編成のバンドとして60年代後半の音楽シーンを席巻、ロビンが歌った大ヒット曲「マサチューセッツ」(1967年)が大ヒットした。だが、名声のもたらすプレッシャーや誰がリードを取るかなどメンバー間で軋轢が発生。特にバリーとロビンはモーリスを介して会話するまでに。グループは空中分解、解散状態となり2年間の空白が生まれる。
1970年代に入り、3兄弟はそれぞれに結婚し転機を迎える。バリー、ロビン、モーリスの3人のグループとして再結成すると、「ロンリー・デイ」「傷心の日々」を全米No.1に送り込む。日本ではビー・ジーズの歌が全編に流れる映画『小さな恋のメロディ』(1971年)が大ヒット、名曲「メロディ・フェア」「若葉の頃」などが収められたサントラもベストセラーとなった。1975年、停滞する音楽活動を打破するために、自分たちの音楽の原点であるR&Bへの回帰を決意。この時、エリック・クラプトンの助言を得て米マイアミへと拠点を移し、透明感あるファルセットボイスで全米No.1に輝いた彼らの代表曲「ジャイブ・トーキン」が収録された名アルバム「メイン・コース」を発表。その後もプロデューサー、名匠アリフ・マーディンの薫陶を得てR&Bバンドとして開花していく。
ビー・ジーズの名を全世界に轟かせたのは、「ステイン・アライヴ」や「愛はきらめきの中に」などの楽曲を提供した映画『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977年)の大ヒットだ。サウンドトラックは全米で24週連続No.1の快挙、世界で“フィーバー”現象が巻き起こった。ラジオ局はビー・ジーズの曲を流し続け、1978年には全米チャートの上位をビー・ジーズと実弟アンディ・ギブの曲が独占する。順風満帆だと思われたビー・ジーズだが、この後には理不尽なバッシングが待ち受けていた。量産されたディスコ音楽への反発運動が起こり、ディスコ・ブームの中心的な存在と位置づけられ攻撃のシンボルにされてしまう。純粋にR&Bを追求した創作した3兄弟は予期せぬ反動の波に晒された。バリーはこの時のことを「ファンの心は移ろいやすいことを実感した」と振り返っている。
“フィーバー”が過ぎた後、ビー・ジーズに新たなオファーが舞い込む。ソングライターとしての実力に注目したバーブラ・ストライサンドから直々に楽曲制作を依頼されたのだ。3兄弟が楽曲を提供し、バリーとデュエットした「ウーマン・イン・ラブ」(1980年)、アルバム「ギルティ」も大ヒットとなり、新たな活動領域を切り拓いた。その後も、ディオンヌ・ワーウィック、ダイアナ・ロス、セリーヌ・ディオンら錚々たるアーティストのために楽曲を提供した。そして、1987年にグループとして新境地を切り拓いたアルバム「ユー・ウィン・アゲイン」(1987年)を発表、全英No.1に輝き、奇跡の復活を成し遂げたのである。
現在はソロアーティストとして活動を続けるバリー・ギブは本編中で「兄弟だから乗り越えられることができた」と語っている。代表曲「ステイン・アライヴ」で歌われたように、どんなに倒れても再び立ち上がって“生き抜く”という選択をした3兄弟の強い決意と絆、そして決してつきることのない音楽への愛を『ビー・ジーズ 栄光の軌跡』は描く。