通称“Spirdark” 23歳が未公開曲を不正販売
カニエ・ウェストやエド・シーランの楽曲を盗難したハッカーに有罪判決が下る
2022.10.24 20:30
By Harald Krichel - Own work, CC BY-SA 3.0/By Renan Facciolo - Kanye West - SWU Music & Arts, CC BY-SA 2.0
2022.10.24 20:30
カニエ・ウェスト、フランク・オーシャン、エド・シーランなどの楽曲を盗んだハッカーに懲役18ヵ月の判決が下ったと報じられた。
Leicesterchire Liveの報道によると、23歳のAdrian Kwiatkowskiはアーティストのクラウドストレージに不正にアクセスし、盗難した楽曲のファイルを販売していた。ロンドン警視庁によると、彼はカニエ・ウェスト、フランク・オーシャン、エド・シーランの他にもリル・ウージー・ヴァートやポスト・マローンの楽曲も不正に入手し、仮想通貨と引き換えに2100万円ほどの利益を得ていたようだ。
検察庁のJoanne Jakymex氏は「Kwiatkowskiはミュージシャンたちが独自の楽曲を作り、収入を得るために費やした努力とクリエイティビティを完全に無視した。彼は非常に利己的に、金儲けのために彼らの音楽を盗んだ」とコメントしている。
ニューヨーク郡地方検事は、通称「Spirdark」というハッカーがダークウェブに音源を流出させているという被害を複数の音楽マネージメント会社が報告したことにより、2019年から捜査を開始していた。ニューヨーク郡地方検事は、ロンドン警視庁と協力し、仮想通貨のアカウントとIPアドレスからKwiatkowskiを特定し、同年の9月に逮捕となった。警察によると、上記のアーティストたちを含む89組による1263以上の楽曲がKwiatkowskiのハードドライブから見つかったという。
エド・シーランのマネージャーは、実際に被害総額を予想するのは難しいが、1曲の流出は数千万円ほどの被害に及ぶ可能性があると明かしており、ハッキングによりエド・シーランは私生活にも影響が出るほどのストレスを感じていたとも声明を出している。刑事巡査Daryl Fryatt氏は「Kwiatkowskiは高いスキルを持った人物であるが、残念なことにそのポテンシャルを法律を破るために使ってしまった」とコメントしている。