2022.10.21 12:00
©THRONE / KARAVAN Pictures
2022.10.21 12:00
11月4日(金)よりシネスイッチ銀座、ユーロスペース他にて全国順次公開される映画『桜色の風が咲く』から、本編映像とバリアフリー予告が公開された。
本作は、9歳で失明、18歳で聴力を失いながらも世界で初めて盲ろう者の大学教授となり、東京大学の教授として教鞭をとっている福島智と母・令子の実話にもとづく物語。 2003年TIME誌による「アジアの英雄」に選出され、現在は、東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野教授を務める福島智の幼少期から大学受験までの姿を描く。また令子が、盲ろう者である智との日常の中から考案した、リアルタイムで言葉を伝える新たなコミュニケーションの手段“指点字”。 現在、多くの人々に希望を与え続けているその“指点字”誕生に至る、知られざる物語でもある。
教師の夫、三人の息子とともに関西の町で暮らす令子。末っ子の智は幼少時に視力を失いながらも、家族の愛に包まれて天真爛漫に育つ。やがて令子の心配をよそに東京の盲学校で高校生活を謳歌。だが18歳のときに聴力も失う……。暗闇と無音の宇宙空間に放り出されたような孤独にある息子に立ち上がるきっかけを与えたのは、令子が彼との日常から見出した、“指点字”という新たなコミュニケーションの“手段”だった。勇気をもって困難を乗り越えていく母子の行く手には、希望に満ちた未来が広がっていく。
12年ぶりの主演を務めるのは、自身も3人の子供を育てながら活躍する小雪、福島智の青年期を演じるのはめざましい活躍の田中偉登。夫・正美役に吉沢悠。ほかに、リリー・フランキー、朝倉あき等が顔を揃える。監督は、『最後の命』『パーフェクト・レボリューション』の松本准平が務める。
この度公開された本編シーンは、3歳の時に右目を失明しながらもやんちゃで明るい智だったが、徐々に左目の状態も悪くなり、小学校に行くことを医者から止められ母に文句を言う場面から始まる。目の負担になるTVも禁じる母に、智は仕方ないとばかりに落語を聞いてみるなど、持ち前の好奇心は健在。そして台所で料理をする母のそばでは、クレヨンで絵を描きながら物語を作り出す。
彼らは母子でユーモアを忘れずに日常を過ごしていた。一方で智の左目の病状は悪化し、病院では「眼圧の高い状態が続いていて危険です、すぐに入院したほうがいいでしょう」と診断を受けてしまう。そして医者の言葉に戸惑う表情を垣間見せながらも、気丈に振る舞う母親の姿を小雪が繊細に演じ、観る者の胸に迫るシーンとなっている。