イナズマロック フェス 2022 特集 第3回
今年のイナズマを振り返る──まさに“ごった煮”を堪能させた祝宴初日
2022.10.18 17:00
2022.10.18 17:00
(取材・文/庄村聡泰)
去る9月17日、18日と2日間に渡って開催された「イナズマロック フェス2022」。3日目は台風の接近に伴い中止となってしまったが、先日のインタビュー内にて西川貴教が発言する強固で温かい地元への”愛”がそこかしこに散りばめられるフェスであった事を証明してくれた。
ちなみに筆者にとってライターとして初の出張であり、ライターとして初の「イナズマロック フェス」である(2015年に[Alexandros]として出演)。
凱旋ライブならぬ凱旋レポだ、ご覧あれ。(大変お待たせしました)
イナズマならではのジャンルの越境ぶり
まずは初日、関西圏のラジオDJが前情報や注意事項などをアナウンスする中、定刻になり登壇するは滋賀県知事の三日月大造氏による開会宣言だ。琵琶湖固有種の魚(その数なんと16種との事だが今回は二ゴロブナをフィーチャー)や近江米の紹介などを交えた後「西川さんが選挙に出たらどうしようと戦々恐々としている」との本音ともボケとも取れぬ発言を残し、退場(笑)。
そんな3年振りのイナズマロック雷神ステージ1発目を飾るアクトはOWV。色とりどりの鮮やかな衣装を纏った4人は「Get Away」でご挨拶。会場設置の巨大なスピーカーからはダンスビートの重低音。待ちに待ったであろうこの瞬間、野外フェスを”体感”する喜びにオーディエンスも身体を震わせているかの様に思えた。MCではアブドミナル(腹筋)やトライセプス(上腕三頭筋)など、筋肉の部位のレクチャーを初め「イナズマロック来るなら筋肉勉強せな!」とバラエティ耐性も存分に見せつけてくれた。
続く櫻坂46からのDa-iCEと言う所謂アイドル〜J-POPの流れは正に当フェスならではのキャスティングと出順と言えるだろう。ここで初見、あるいは逆に、ここの流れこそが本命というオーディエンスも多かったのではないだろうか。多人数である事を武器とした迫力たっぷりのフォーメーションで魅せる櫻坂46は、ライブでもあり観劇でもあったと言える様な独特の体験を味わわせてくれた。滋賀県出身の武元唯衣をフィーチャーしたMCや、卒業を控えたメンバーのパフォーマンスなど、貴重な機会をもたらしてくれたイナズマロックに感謝である。しっかしまあ、筆者が普段より愛聴する「流れ弾」のカッコ良き事よ……!
対してボーカル、パフォーマーと役割がはっきりと分かれているDa-iCEは生バンドを従えた編成での登場。迫力たっぷりのダンスと色気ダダ漏れのツインボーカルの妙を存分に堪能させてくれた。”待ってました!”の心の声が聞こえて来るかの様な「CITRUS」の冒頭は花村想太による思わせぶりなアカペラから始められるなど、目を見張る巧みなステージングのつるべ打ちであった。ダンス&ボーカルグループの矜持、ここにアリと言った趣きであった。
そしてイナズマロックフェス、メインステージとなる雷神ステージ(風神、龍神ステージはなんと無料!よっ!太っ腹!)における各アーティストの幕間、転換時には芸人によるネタライブが差し込まれる構成となっているのだが、ここで出番となったスーパーマラドーナ略してスーマラさんのネタが筆者が大好物の合コンネタであった為、顔筋が痛くなる程笑わせて頂いた事には触れておかねばなるまい。
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