2022.10.07 08:30
2022.10.07 08:30
11月25日(金)より角川シネマ有楽町ほか全国劇場で公開される映画『人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界』の本編ナレーションを岡田准一が担当することが発表された。
同作は、世界の巨壁に《単独・無酸素・未踏ルート》で挑み続けた極限のクライマー・山野井泰史の足跡を貴重な未公開ソロ登攀映像や生涯のパートナーである妻・妙子への取材、関係者の証言などとともに振り返る渾身のドキュメンタリー。今年3月にヒューマントラストシネマ渋谷にて開催された「TBSドキュメンタリー映画祭2022」でクローズド作品として上映され注目を浴び、9分の新規カットが追加された完全版として公開されることとなった。
登山家・山野井泰史は、2021年に登山界のアカデミー賞・登山界最高の栄誉といわれる「ピオレドール生涯功労賞」をアジア人として初受賞、ラインホルト・メスナーやダグ・スコット、ヴォイテク・クルティカなどと並びクライミングの歴史にその名を刻む伝説的存在であり、山岳雑誌『山と溪谷』読者の「好きな登山家第1位」(2016年1月号)にも選ばれ、先月には単行本『CHRONICLE クロニクル 山野井泰史 全記録』が出版。コミック誌『ビッグコミック』では伝記漫画『アルパインクライマー-単独登攀者・山野井泰史の軌跡-』も連載されている日本を代表する登山家である。
映画の起点は1996年、ヒマラヤ最後の課題といわれる「マカルー西壁」にアルパインスタイル・ソロで挑むという究極の挑戦への密着取材。その後、山野井をめぐっては2002年に沢木耕太郎の著作『凍』でも描かれた「ギャチュンカン」登頂後の壮絶なサバイバルがあり、凍傷で手足の指10本を失うこととなる。2008年には奥多摩山中で熊に襲われ重傷を負うアクシデントにも遭遇。それでもなお“垂直の世界”に魅せられ、挑戦し続ける登山家の魂にカメラは迫っていく。
メガホンをとったのは、自らもヒマラヤ登山経験のあるジャーナリスト武石浩明。公私ともに山野井泰史と交流しながら25年彼を追い続け、長期に渡る取材を通して《極限の人》の実像に迫る唯一無二の作品を作り上げた。
本情報の解禁に伴い解禁された映画ポスタービジュアルは、過酷な挑戦を続け今もなおクライマーとして垂直と闘い続ける人間・山野井泰史の近影を全面に起用し、山野井泰史その人を《極限の人》と表現したインパクトあるキャッチコピーが採用されている。
また、山好きとしても知られ、山岳映画の傑作『エヴェレスト 神々の山嶺』(2016)でも主演を務めた俳優・岡田准一は「山野井さんは、日本が誇る、知ってもらいたい日本人の一人」と、今回“初体験”となったドキュメンタリー映画のナレーションについての想いを語っている。
本編中には、『エヴェレスト 神々の山嶺』の山岳コーディネーターで友人でもある今井健司(2015年、ヒマラヤで行方不明)の姿も映っており、岡田が思わず言葉に詰まってしまう瞬間も。常に自然と対峙し乗り越えていく“クライマーという存在”への敬意と共感が込められ、観るものの胸に“極限の挑戦”について深い余韻を残す出来栄えとなっている。
映画の公開発表に際し、ナレーションを担当した岡田准一からのコメントも到着した。
岡田准一 コメント
僕自身山好きで、クライマーは憧れの存在。なかでも山野井さんは、
混じり気のない眩しい存在で、その純度の高い生き方には美しさを感じます。
日本が誇る、知ってもらいたい日本人の一人です。
今回、初めて”語り”という形でドキュメンタリー映画に参加しました。
本編中にはヒマラヤで行方不明になった知人の姿も映っていて、
言葉に詰まってしまう瞬間もありました。
極限に挑むクライマーの“魂の震え”を感じ、勇気がもらえるドキュメンタリーです。
是非、ご期待ください。