©島本理生/集英社 ©2021 映画「よだかの片想い」製作委員会
2022.09.08 17:00
9月16日(金)より全国公開される映画『よだかの片想い』から本編映像が公開された。
主演を務めるのは、松井玲奈。初主演映画『笑う招き猫』やNHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』などの出演で知られる。本作は、そんな松井本人が原作に惚れ込み、長年熱望していた映像化がついに実現した意欲作。飛坂を演じた中島歩は、『いとみち』、『偶然と想像』、『愛なのに』にといった話題作に出演を重ねてきた。他にも、出版社に勤務するアイコの友人役に織田梨沙、研究室の仲間役に藤井美菜、青木柚など、急速に注目度を高めている若手俳優が集まった。
監督を務めるのは、安川有果。これまで、長編映画『Dressing Up』などの作品を手掛けてきた。長編劇映画としては本作が2作品目となる。近年も、短編オムニバス映画『21世紀の女の子』や、4人の若手監督による連作長編『蒲田前奏曲』にも参加するなど、活動の幅を広げている。脚本は、100本を超える劇場公開映画、映像作品を監督してきた城定秀夫。なお、タイトルにある「よだか」とは、宮沢賢治の童話「よだかの星」にも登場する“夜鷹(よたか)”のこと。
物語の主人公は、理系女子大生の前田アイコ(松井玲奈)。幼い頃、顔の左側にあるアザをからかわれたことがあり、恋や遊びには消極的になっていた。しかし、「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本の取材を受けて話題となってから状況は一変。本の映画化の話が進み、友人の編集者・まりえの紹介で監督の飛坂逢太と出会う。初めは映画化を断っていたアイコだったが、話をするうちに彼の人柄に惹かれていく。飛坂への片想いを自覚し、不器用に距離を縮めていくアイコ。しかし、飛坂の元恋人の存在、そして飛坂は映画化の実現のために自分に近づいたという疑心暗鬼が、アイコの「恋」と「人生」を大きく変えていくことになる……。
この度公開されたのは、物語が動き出すアイコ(松井玲奈)と飛坂(中島歩)の初めての出会いの場面。出版社に勤務する友人の穂高まりえ(織田梨沙)からの提案で、アイコは「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本の取材を受けてその本が話題となり、にわかにアイコの生活は変わり始める。
そんな中、その本の映画化を希望している監督がいるということで、まりえからの紹介で一度映画監督に会ってみることになるアイコ。映画化には後ろ向きなアイコだったが、まりえの頼みという事もあり、一度だけ会うことを決心する。会って早々にアイコを見つめる飛坂に、アイコは少し戸惑いみせる。すると飛坂は、「大好きなんですよ、表紙の写真」と切り出す。驚きつつも、どこかぎこちない表情をみせるアイコに飛坂は、ルポルタージュ本の表紙撮影の現場を見かけた縁でアイコに興味を持ち始めたのがきっかけだったことを告げる。
そしてその本を偶然本屋で見かけた中島は、「前田さんの語り口が面白くてあっという間に引き込まれて……」と本の感想を伝えていると、戸惑いと緊張の表情から一変、アイコの目には思わず涙が溢れる。アイコの生き方に惹かれた気持ちを真っ直ぐに伝える飛坂の言葉に思わず、気持ちが溢れてしまったアイコ。映画化を拒んでいたアイコだが、そんな飛坂の言葉に心が動いたアイコは、徐々に飛坂への心を開いていくのだった。
小学生の頃、クラスメイトからそのアザをからかわれたことをきっかけに、人間関係や恋愛に対してもどこか一歩引いて生きてきたアイコの心が、真っ直ぐな言葉によって動き出す瞬間を捉えた映像となっている。