レコーディング前に緊張する様子も
『ブライアン・ウィルソン/約束の旅路』本編映像公開 「Honeycomb」をレコーディングする姿を捉える
2022.08.10 15:00
©️2021TEXAS PET SOUNDS PRODUCTIONS, LLC
2022.08.10 15:00
8月12日(金)より公開されるドキュメンタリー映画『ブライアン・ウィルソン/約束の旅路』より、ブライアン・ウィルソンの貴重なレコーディング映像が公開された。
「サーフィン・U.S.A.」「グッド・バイブレーション」「神のみぞ知る」、そして名盤『ペット・サウンズ』『スマイル』。他の追随を許さない、聴く者の心を撃ち抜く歌唱と旋律の美しさ。音楽の神に愛された「ビーチ・ボーイズ」の創設メンバー、ブライアン・ウィルソン。その輝かしすぎる栄光の日々の半面、稀代の天才ソングライターが抱えていた、哀しくも壮絶な真実ーー。人生の喜びと悲しみを振り返り、秘められた想いが今、「天才」自身の言葉によってつむがれる。
このたび公開された本編映像では、現在のウィルソンが「ユナイテッド・レコーディング」で「カントリー音楽の父」「ブルーヨーデラー」「歌うブレーキ係」など数々の異名をとるジミー・ロジャーズの「Honeycomb」(1957年)を、仲間とともにセッションし、レコーディングする様子が切り取られている。「Honeycomb」は、ボブ・メリルが1954年に書いた曲で、ジミー・ロジャーズのカヴァー・ヴァージョンが全米チャートで第1位を記録。ビーチ・ボーイズでは1974年の『15ビッグ・ワンズ』の時期に同曲をレコーディングしたもののリリースには至らず、ウィルソンは2015年のソロ・ツアーなどで演奏していた。
映像は、レコーディング・スタジオに到着したウィルソンが、いつも一緒のバンド・メンバーに会うにもかかわらず緊張してしまうシーンから始まる。レコーディングのアイディアについて説明しながら、自らピアノを演奏したりと、稀代の天才と呼ばれたその才能は枯渇することをしらない。ワンダーミンツのダリアン・サハナジャや、『ペット・サウンズ』50周年アニバーサリー・ツアーにて音楽監督を務めたポール・マーテンズ、そして2019年に亡くなってしまったニッキー・ワンダーことニック・ワルスコら、バンド・メンバーと精力的に演奏する姿が描かれる。
本編には、カール・ウィルソン&ジャック・ライリー作「ロング・プロミスト・ロード」をはじめとする、かつてビーチ・ボーイズ名義でリリースされた楽曲を映画用に新録したヴァージョンや、この映画のためにジム・ジェームス(マイ・モーニング・ジャケット)とウィルソンの共作による新曲「Right Where I Belong」も用意されている。精神疾患から逃れ切れていないものの、ビーチ・ボーイズのデビュー時のように、ほとんどやったこともないサーフィンの曲を無理に書くことなく、身の丈に合ったペースと創造性の中で新たな充足の日々を満喫しているウィルソン。本作で彼は、再出発の日差しの中で人生の喜びと悲しみを振り返る。