オリジナル・テーマ曲を坂本龍一が手がける
A24最新作『アフター・ヤン』10月21日公開 AIロボットの中に隠された記憶映像を辿る
2022.08.03 11:00
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2022.08.03 11:00
A24製作最新作『After Yang』が邦題『アフター・ヤン』として10月21日(金)より日本公開されることが決定。あわせてポスタービジュアルと場面写真が公開された。
舞台は遠くない未来。AIロボットのヤンは、ある一家のもとで養女のミカとともに、慎ましくも幸せな日々を送っていた。しかしある日、ヤンは突然の故障で動かなくなってしまう。父親のジェイクはふさぎ込む娘のためにヤンの修理の手段を模索するが、その過程でヤンが撮り溜めた断片的な記録映像を発見する。そこには、家族に向けられたヤンの温かなまなざしと、ある秘密が残されていた……。
監督/脚本は、前作『コロンバス』が世界中で話題となった映像作家コゴナダ。小津安二郎監督の信奉者としても知られる韓国系アメリカ人のコゴナダ監督は、長編第2作となる本作で気鋭のスタジオA24とタッグを組み、派手な視覚効果やスペクタクルに一切頼ることなく、唯一無二の未来的な世界観を構築した。さらにオリジナル・テーマ曲を敬愛する坂本龍一に依頼し、音楽を手掛けたAska Matsumiyaの美しいアレンジに加えて、岩井俊二監督作品『リリイ・シュシュのすべて』で多くの映画ファンの胸に刻まれた名曲「グライド」を、Mitskiが歌う新バージョンで甦らせた。
残された記録映像を手がかりにヤンのミステリアスな過去をたどっていく主人公ジェイクに扮するのは、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』での怪演も記憶に新しいコリン・ファレル。加えて、『ウィズアウト・リモース』のジョディ・ターナー=スミス、『アンブレラ・アカデミー』のジャスティン・H・ミン、2011年生まれの子役マレア・エマ・チャンドラウィジャヤが切なくも温かな“未来の家族”を体現している。そして『コロンバス』で主演を務めたヘイリー・ルー・リチャードソンが物語の鍵を握る謎めいた女性を演じる。
この度公開されたポスタービジュアルには、家族三人とともに、人間と何ら変わりない外見ながら時が止まってしまったAIロボット・ヤンの姿が映る。交わらない視線はすれ違う家族の風景を思わせるが、ミカが優しくヤンの手を取り微笑みかける様子、その隣に添えられた「ありがとう、お兄ちゃん」というキャッチコピーが、かけがいのない絆で結ばれた関係性を想起させる。ヤンの体内に残された映像には何が映っているのか。そこに刻まれたヤンの記録/記憶は、いったい何を物語るのか。そしてAIに感情は宿るのか。本作はそうした幾多のミステリーを提示しながら、さして遠くない未来に現実化しうる人とロボットとの関係性を観る者に問いかける。