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ヒップホップで社会を生き抜く! 第3回

〜文化を次世代へ〜 ヒップホップアーティストとスケートボードから学ぶポジティブのサイクル

2022.08.04 12:30

2022.08.04 12:30

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人間が成長していく上で、出会いというものは非常に重要だ。どのような人から何を言われ、どのようにインスピレーションを受けるかによって、その後の人生が全く違うものになる可能性もある。特に子供のうちは、出会いがその後の人生に与えるインパクトは大きく、どのような道を志すかにも影響を与える。今回は、その幼少期の出会いと、「ポジティブのサイクル」によって人生が変わったラッパーたちのエピソードを紹介したい。

コモンが電話した相手

シカゴ出身のベテランラッパー・Common (コモン)。グラミー受賞アーティストであり、俳優としても知られているリリシストであるが、2018年にUSA Todayが報じた内容を紹介したい。

コモンは15年ほど前、自身の祖母に「友達の息子がラッパーを目指しているから、話をしてあげてほしい」と頼まれたようだ。その願いを受け入れ、コモンは祖母の友人の、ラッパーを目指しているという息子に電話をかけてみたが、電話に出なかったため、仕方がなく留守番電話を残した。その時に何を伝えたか具体的には覚えていないが、「自分がやっていることを信じ続けて、全力でやろう」という旨を留守番電話に残したという。

コモンにとっては、アドバイスを与えたたくさんの子供たちの一人だったのかもしれない。しかし、そのアドバイスを受け取った子供にとっては違ったようだ。コモンはその留守番電話を入れた10年後、その子供の素性を知ることになる。なんと、当時コモンが電話をしたのは、14歳のチャンス・ザ・ラッパーだったのだ

これから人生で大きな選択をするであろう少年に対してコモンが伝えたメッセージは、その少年の人生を変えたと言っても過言ではないだろう。同郷であるシカゴのスーパースターからアドバイスを受け取ったチャンス・ザ・ラッパーは、その数年後にはインディペンデント・ラッパーとして話題になり、10年後にはインディペンデントアーティストとしてグラミーを受賞するという、音楽業界の革命児として前代未聞の功績を残した。若い世代に「全力でやるインスピレーション」を与え続けることにより、「ポジティブのサイクル」を作った結果とも言えるだろう。

もしコモンが「そんなに甘くないぞ?」や「実現しなかったらどうするの?」という旨のみを伝えていたら、結果は違ったかもしれない。自分が信じたことを全力でやった経験があるコモンだからこそ、100%実現できなかったとしても全力でやれば何かしらの道は開けるということを伝えたかったのかもしれない。

DJプレミアとトラヴィス・スコット

ヒップホップにおける伝説的なプロデューサーと言ったら、DJ Premier(DJプレミア)の名前は確実に挙がるだろう。Gang StarrのDJ/プロデューサーであり、数多くのラッパーにビートを提供したDJプレミアは、ヒップホップ以外のジャンルにも精通しており、ドラムも演奏できることで知られている。そんな彼の音楽的ルーツはテキサスに住んでいた頃にできあがったようだ。

Gang Starrというとニューヨークのイメージがあるが、彼はテキサス州ヒューストン市で生まれ、南部で幼少期を過ごした。彼はRapRadarにて、テキサス時代にトラヴィス・スコットの家族との縁があったと語っている。

彼はトラヴィス・スコットの父親であるジャック氏にダートバイクなどの運転を教わり、トラヴィスの祖母に国語を教わっていたと明かしている。トラヴィス・スコットの祖母が所有していたビデオカセットレコーダーで「ソウル・トレイン」などの音楽番組を見て過ごしていたという。その頃から昔の音楽をディグり、サンプリングを駆使するヒップホッププロデューサーとしてのスキルを身に着けていたのだろう。

さらに、トラヴィス・スコットの父親がドラム、叔父がベースをやっていたため、DJプレミアは彼らに楽器を教わっていたという。彼は「俺がドラムを叩けるのは、トラヴィス・スコットの父親が教えてくれたからなんだ。この経験がプロデューサーとしての自分のスタイルに大きく影響している」と明かしている。なんと彼の初期の音楽的メンターとなったのが、トラヴィス・スコットの父親と叔父だったのだ。もしDJプレミアがトラヴィス・スコットの家族と出会ってなければ、ヒップホッププロデューサーにはなっていなかったかもしれない。

その後、DJプレミアはテキサスからニューヨークに引っ越し、Gang Starrのメンバーとしてヒップホップ最高峰のプロデューサーになる。自分が業界内で大御所になったとき、自分が昔教わっていた先生の息子が業界で活躍しはじめる。偶然ではあるが、DJプレミアが自分の夢を実現するために前に進み続けたことにより、巡り巡ってトラヴィス・スコットの家族との繋がりがまた生まれる。トラヴィス・スコットの家族が次世代に託したバトンと縁が、繋がりを作り続けたのだ。

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文化における「サイクル」とは?

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1972年シカゴ生まれのラッパー/ミュージシャン/俳優/作家/活動家。1992年にコモン・センスという名義のアルバム『Can I Borrow A Dollar』でデビュー。1990年代後半までアンダーグランド・シーンで圧倒的な支持を得る中、その後タリブ・クエリ、モス・デフ、エリカ・バドゥ、ディアンジェロ、Q-ティップ、Jディラ、ビラルなどと共にソウルクエイリアンズの一員としても活動していく中で、ヒップホップ/ネオ・ソウルの一時代を築いたHIPHOP界重要人物の一人。2000年に4枚目のアルバム『ライク・ウォーター・フォー・チョコレート』でメジャー・デビューを果たし、これまで11枚のアルバムを発表。これまで3度のグラミー賞を受賞、2015年には自身も俳優として出演した映画「グローリー/明日への行進」のジョン・レジェンドと共作した主題歌「グローリー」でゴールデングローブ賞、アカデミー賞も受賞、2017年にはドキュメンタリー映画『13th』で使用された楽曲「レター・トゥ・フリー」でエミー賞も受賞、アメリカのエンターテイメント界で4冠受賞の唯一のラッパー。今年5月には著書”Let Love Have The Last Word”を発表したばかり。

(引用)https://www.universal-music.co.jp/common/biography/

チャンス・ザ・ラッパー

アーティスト情報

チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper、本名:チャンセラー・ベネット、Chancelor Bennett、1993年4月16日 - )は、アメリカ・イリノイ州シカゴ出身の男性ヒップホップアーティストである。レーベルと契約しない・音源を有料販売しないという従来の音楽ビジネスとは一線を画す活動形態ながらグラミー賞を受賞、音楽フェスティバルにヘッドライナーとして出演するなど大きな成功を収めている。

(引用)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%91%E3%83%BC

トラヴィス・スコット

アーティスト情報

トラヴィス・スコット(Travis Scott、以前の表記: Travi$ Scott、1991年4月30日 - )は、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン出身のラッパー。本名はジャック・ベルマン・ウェブスター二世(Jacques Berman Webster II)。

2012年にメジャーレーベルのエピック・レコードと契約。同じ年の11月にカニエ・ウェスト率いるグッド・ミュージックと契約。そして2013年4月にT.I.が率いるグランド・ハッスルと契約した。2013年に初のフルレングス・ミックステープ『Owl Pharaoh』、2014年8月に2作目のミックステープ『Days Before Rodeo』をリリース。デビューアルバム『Rodeo』(2015年)からはシングル「Antidote」がヒット。2作目のアルバム『Birds in the Trap Sing McKnight』(2016年)は初の全米1位を記録し、シングル「Goosebumps」がヒットした。翌年にはMigosのQuavoとコラボレーション・アルバム『Huncho Jack, Jack Huncho』をリリース。3作目のアルバム『Astroworld』(2018年)は批評家から高く評価され、初の全米ナンバーワンシングル「Sicko Mode」が生まれた。2019年には自身のレーベルCactus Jackのコンピレーションアルバム『JackBoys』をリリースした。

(引用)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88

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